放送内容

2017年8月22日 ON AIR

クローゼットの中で育てられた少女

仰天スタッフは、アメリカ・カリフォルニア州に住む一人の女性の元へ向かった。
その女性の名はローレン・ガバナーさん、24歳。


実は彼女、ある恐ろしい事件の当事者だという。
16年前の彼女の写真を見せてもらうと、目はうつろで筋肉はほとんどない。
生きているのがギリギリの状態だった。彼女に一体何があったのか?


"親の都合に振り回される娘"


1993年、アメリカ・テキサス州。
車の中で暮らす一人の女性、バーバラ・カルホーンは独身で1人の子どもと
生活保護を受けながら暮らしていた。


そんな生活のさなか、またも子どもを授かった。
すると、友人からのありがたい提案があり、友人宅の一室を間借りさせてもらう事に。


そこで出会ったのが、ガバナー夫婦。
この夫婦は子宝に恵まれていなかった。
実は、産まれてくる子どもを養子に欲しいと望んでいたのだ。


そして1993年4月、バーバラは女の子を出産。
翌日、養子の書類にサインをした。
ガバナー夫婦によって女の子はローレンと名付けられた。


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ローレンは夫婦の深い愛に恵まれ、何不自由なく育つ...はずだった。
だが、8か月たったある日のこと。
なんとバーバラがローレンを取り戻したいと弁護士を通じて連絡してきたのだ。


バーバラは出産後、高校時代の友人ケネスと偶然会い、意気投合。
その後、一緒に暮らしていた。


そんなある日...偶然ガバナー夫婦を見つけた。
その中心には自分が産んだローレンの姿があった。


私がお腹を痛めて産んだ子...やっぱりあの子は私のもとにいるべきだ!
バーバラはにわかにそう思い、弁護士をたてて取り戻すことにしたのだ。


ガバナー夫婦はもちろん抵抗するが、出産時交わした養子縁組の資料に
不備があったことが判明。
1995年1月、ローレンはバーバラのもとへ返された。


"クローゼットに閉じ込め育児放棄に"


だが、ローレンはガバナー夫婦と離ればなれになったのが悲しいのか泣き止まない。
しばらくしても...ローレンはバーバラに全然なつかなかった。


苦労して取り戻した娘、こんなはずじゃなかった...
泣いてばかりの娘に...、ついに手を出してしまった!
こうしてローレンへの虐待が始まった。


なぜ我が子に暴力を振るってしまうのか?
実は、児童虐待を行う理由の一つに自己評価の低さというものがある。


子どもの虹情報研修センター、川崎センター長によると、
自分に自信のない親たちは、子どもがいう事を聞かないと
自分がすごく非難されていると感じてしまい、それが攻撃性に変わっていくという。


そんな環境でローレンは成長。
この頃、ケネスとバーバラの間にも娘が誕生した。
すると、ローレンはケネスからも虐待も受けるようになっていく。


やがて、母は恐ろしい行動に出る。
なんとローレンをクローゼットに閉じ込めたのだ!


残り物の食事を食べる日々。
次第に、ローレンを置いて外出することも。このような虐待をネグレクトという。


ネグレクトとは、親による虐待行為のひとつで、わが子に対し食事を与えず、
風呂にもいれない。たとえ病気になっても対応しないといった育児放棄を指す。


小さなクローゼットの中、朝も夜もわからず何日も扉を開けられないことも。
ローレンは良い子にしていれば母が出してくれる...そう信じていた。


一方、母のバーバラもその恐ろしい行為を振り返ることがあった。
だが、放置したままの娘が今どうなっているのかを想像することが怖くて仕方なかった。


そしてバーバラがとった行動...それはローレンの事を考えないようにすることだった。
絶望的な状況の中、少女を救ったのは姉のブレイクだった。


実は姉のブレイクも、暴力などの虐待はなかったものの、
学校にすら行かせてもらえない生活を送っていた。
そんな日々の中、ずっと妹の事が気になっていたのだ。


親の目を盗んでローレンに食事を与えるブレイク。
それが姉としてできる精一杯のことだった。


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その後、バーバラの育児放棄はエスカレートしていき、毎晩のように男と飲み歩くように。
母にその存在を消されたローレン。
だが少女はこの後、ある意外なことがきっかけで救われることに!


"親の身勝手な行動がきっかけで自由の身に"


ある日のこと、バーバラの家に訪問者がやってきた。
それは児童保護局の調査員だった。


実は育児放棄がエスカレートしたバーバラはローレン以外の子ども達にも
食事を与えなくなっていたのだ。
そのため姉のブレイクも近所のゴミを漁るようになっていた。


その様子を見た住民が児童保護局に通報したのだ。
だが、両親は虐待の疑いがかかるたびにその家から失踪。
それから5年もの間、住まいを転々とする生活が続いた。


家が変わってもローレンが閉じ込められるのには変わりはない。
永遠に続くかと思われたクローゼットでの生活...。
そんなある日...運命を大きく変える出来事が起きた。


ケネスが発見したもの...それは、バーバラの浮気の証拠だった。
そして思いもよらない行動にでた!


向かったのは隣人の家。
その目的は、バーバラによる虐待の全てを隣人に伝えることだった。
これにより、6年にも及ぶ恐ろしい虐待が明るみになったのだ。


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救出時のローレンの体重は、8歳なのにわずか11キロ。
生きているのも不思議な状態だった。


そして、母バーバラとケネスはともに逮捕され
後の裁判で2人には終身刑が下されることになった


なんとか一命をとりとめたローレンは、その後ガバナー夫婦に引き取られることに。
深い心の傷はあったもののガバナー夫婦の大きな愛に恵まれ、ローレンは少しずつだが
普通の生活を取り戻していった。


今は、ガバナー夫婦の家を出て暮らしているローレン。
2度と自分のような事件が起こらないことを願っている。

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