放送内容

2017年10月17日 ON AIR

世界一カミナリの多い村

仰天探検隊!
今回は、あるものが世界で1番多い場所。
それは...雷!どれくらい多いかというと、年間260日雷!!


つまり、週5で雷!
1時間当たりの雷の数は3600回!つまり1秒に1回!
しかもそこには人が住んでいる!!それは本当なのか?


"寝ている間に雷が落ち嵐が吹く村"


日本から飛行機を乗継ぎ、31時間。
南米、ベネズエラ・ボリバル共和国のマラカイボという第2の都市へ。


空港から車で移動し、30分。
着いたのは港。目的地へは船で向かうらしい。


ずーっと水平線が続くが、目的地まで約3時間半かかるという。
しかもここは海ではなく、マラカイボ湖という湖。大きさは琵琶湖のおよそ20倍!!


そして約3時間半、到着した場所は水上に家が立ち並んでいた。
待っていたのは現地ガイドのフランシスコさん。


ここからは水深が浅くなるため、小型ボートで移動。
ほどなくして目的の村に到着した。


村の名はオロガ村。
マラカイボ湖の南西に位置する、人口200人ほどの小さな集落。
陸地部分はわずかにあるが、ほとんどの家が水上に建っている。
一見のどかな村だが...幹の途中から上の部分が無いヤシの木を発見した。
その下には黒く焦げた部分が落ちていた。落雷を受けたヤシの木だった。
さらに見渡すと、落雷で壊れてしまった家が。最近まで人が住んでいたという。


しばらくすると、この家に住んでいたという人が登場!
話を聞くと、寝ている時に雷が落ち、同時に嵐が来て家が崩れたとの事。
家族は湖に落ち、幸い命に別状はなかったという。


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今はお隣の親戚の家にお世話になっているというが、建て直しの見通しはまだ立っていない。
そんな超恐い雷と嵐は夜になったら毎日起こるという。
スタッフはこの自然現象を観察することにした。


"アンデス山脈に囲まれた地形が雷を生む"


深夜2時。スタッフが手に持った雷探知機が鳴り始めた。
その直後、風が強くなってくると夜空を照らす閃光が!
これを機に、数秒に1回のペースで雷の光が見えるように。


しかし、なぜか恐怖は感じなかった。
実はここで見られる雷は、音がしないことが多い。


その理由は簡単。雷がまだ遠くて雷鳴が聞こえないのだ。
広大なマラカイボ湖。ある程度離れていても遮るものがないため、光だけが届いてくる。


ところで、なぜこの地域は雷が多いのか?
その理由は、アンデス山脈に囲まれた地形にある。


日中、太陽の熱で陸地が暖められ、大気が上昇する。
すると、その隙間を埋めるように海から湿った空気が大量に吹き込んでくる。


その海風がアンデス山脈にぶつかり上昇気流が発生!
やがて雷の元となる積乱雲が生まれる。その結果夜になると、雷がたくさん起こるのだ。


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明け方近くになると、すごい嵐がやってきた!
屋根も飛びそうなほどの突風!
雷が近づくということは、こんな嵐も来るということなのだ。


しかも毎日のようにこんなことが起こるというからスゴイ!
朝方見られたのは赤い雷。 雷は距離が遠ければ赤、近ければ青色に見えるという。


そして朝、うそみたいないい天気!
この日はある実験をすることに。
水の上だと雷が落ちやすいという地元の人の情報を頼りに
湖の上にマネキンをポツンと置いてみたのだ。さあその結果はどうなるのか?


"村人の生活に欠かせない湖"


その前に、夜が来るまで村人の生活を取材。
お邪魔したのはブラチョさん一家。


両親とおばあちゃんに4人の子ども。
母親のイングリさんは、8年前に別の街からこの村に嫁いできた。


家を見せてもらうと屋根はトタン。木材はヤシの木。
床にはなぜか大きな隙間が空いている。
なぜ固定していないかというと、なんとここから魚を捕るという。


他にも手洗いや洗濯など、何かと湖の水を利用しやすいような造りになっているのだ。
ここマラカイボ湖は漁が盛んで、村の男性のほとんどが漁師。


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魚が捕れれば食料には困らず、それを街に売りに行けば収入にもなる。
そんな家庭の食事はほぼ毎日、湖で捕ったマナマナという魚の料理。


飲み水は、雨水を利用している。
雷が近くまで来た日は嵐になって、雨水が溜まる。


シャワーもトイレも湖で。
陸地に家がある人もいるが、結局生活には湖が欠かせないため、水上に家を建てる人が多い。


しかし、最近困った事が起きたという。
実は村には電線が張り巡らされていて、政府から援助された大型の発電機から、
電気が供給されていた。


しかし、あの家が崩壊した同じ日に、落雷で壊れてしまったという。
この村では農作物はほとんどとれず、魚以外の大半の食品や、生活に必要なものは、
街に買いに行かなければならない。


でも、街までは片道5時間もかかり、夜間は雷や嵐に遭う可能性があるため、
簡単には行き来できない。なかなか不便な村だった!


"それでもこの場所で暮らす理由とは?"


そして、夜。
この日も、凄まじい雷と嵐がやってきた。
日中に実験で設置した水上のマネキンにも雷と嵐が迫る!


スタッフが確かめに行くとマネキンはしっかり立っていた。
今回はマネキンに落ちなかったが、やはり水の上にポツンと高いものは危ないという。


ところで、村人はどんな雷対策をしているのか?
村人に取材すると、落ちないようにする方法はないという。
唯一やれることといえば、落雷したときにテレビや鏡を布で覆って
破片が飛ばないようにするくらいとの事。


生活に大きく影響する雷。
にもかかわらず彼らがここで暮らす最大の理由があった。
それは漁に関係すること!


実は、雷によって魚が捕れやすくなるという。
仰天スタッフは家族の漁に同行。10分ほど船を進めたところで網をうず状に張っていき、
どんどん魚を追い込んでいく。


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で、嵐が近づいてくると...一目散に逃げる!!
翌日、仕掛けておいた網を見に行くと魚がたくさんかかっていた!


魚が雷の光に驚いて、パニック状態になり、
網にかかりやすくなるのではないかと考えられている。


世界一多い雷と共に生活する村人たち。なかなかハードな生活をしていた。

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