放送内容

2019年1月22日 ON AIR

おならが止まらない女性の苦しみ

埼玉県川口市。
この町で暮らす女性、ゆかさん(27歳)は耐え難い『ある病』に悩まされている。


今から5年ほど前。
関西のデザインスクールに通っていた時、彼女にはある不安があった。


クラスメイトの男子が突然鼻をふさぎ、隣に座る男子にこう言った。


「なんか臭くね?お前、屁こいた?」


この反応の原因...実はゆかさんの「おなら」だった。
それはどうやっても止まらないもの...我慢すれば、激しい腹痛に襲われ
止まらないおならは地獄のような苦しみだった。


臭いの原因が自分だと気づかれているのでは?
そう思うと、過度に視線が気になり...食事も1人で食べた。
さらにエレベーターのように周りを囲まれる場所は、極力避けていた。


ごくまれに、天気の良い日に症状が出ないこともあったのだが、
朝からお腹に違和感がある時は、激しい下痢や腹痛に襲われトイレにこもりっきりになる。
整腸薬やガスを消す薬を飲んでも、彼女には効き目が感じられなかった。


そんなゆかさんにも彼氏ができた。
2人の出会いは...運転免許の合宿。
たまたま出身が同じ広島県だったことから仲良くなり交際を始めた。


付き合って間もなく...ゆかさんは彼氏に悩みを全て打ち明けた。
この悩みで彼氏が離れてしまうかもしれない...そんな恐れもあったが、
彼氏はゆかさんを受け入れてくれた。


その後、彼の勧めで病院へ行くと...長年彼女を苦しめていた原因が判明する!


彼女を苦しめていた「過敏性腸症候群」とは


その病の名は...「過敏性腸症候群」。別名、IBS。
検査で異常がないにも関わらず、下痢や便秘、腹痛、腹部膨満感などが長期間持続する疾患。
軽い症状を入れれば、なんと日本人のおよそ10人に1人がこの病気だと言われている。


症状から下痢型、便秘型、下痢と便秘を繰り返す混合型などに分けられる。
ゆかさんは『下痢型』。加えて、空気を大量に飲み込んでしまう『呑気症』でもあったため、おならが多かったと考えられる。


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詳しい医師によると、腸の粘膜にはセロトニンというホルモンがあり、
量が多いと下痢になり、少ないと便秘になるため、
過敏性腸症候群の原因として重要であると、最近分かってきた。


もう一つの原因はストレス。
ストレスによる不安や緊張が、
中枢神経から迷走神経を伝わって腸の動きを活発にするのだという。
さらに睡眠時間が短いことなども過敏性腸症候群の原因と考えられている。


実は彼女、自覚症状が出始めたのは小学3年生のころ。
原因はわからないが、ある日突然おならが漏れ出るようになった。


それがきっかけで次第に不登校に。
だが自分では、おならが出やすい体質としか思っていなかった。


現在では、セロトニンの量をコントロールする薬が開発され、
症状を抑えられるようになったが、当時はまだ有効な薬はなく、長年彼女を苦しめることになった。


ゆかさんはまず食事を見直した。
下痢や腹痛になりやすい揚げ物やコーヒーなどを避けて、サラダなど野菜中心の食事に変え、
飲み物も冷たいものは極力飲まないようにした。


すると症状は以前に比べ少しだけおさまった。


交流会に参加したことで前向きに


そんな頃、彼から東京での就職が決まったという知らせが。
ゆかさんは彼氏と一緒に東京へ...事務の仕事に就いた。


しかし、慣れない環境での緊張からまたも腹痛が。
いつおならが漏れ出すか...その不安から30分おきにトイレに行かなければならず
結局、仕事は長くは続かなかった。


この頃、彼は家でも仕事をするほど忙しく、早朝まで続くこともあった。
それが、ゆかさんのストレスとなり...生活のすれ違いが原因で衝突。
やがて2人の関係は終わった。


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自暴自棄になるゆかさん。
死にたい...そう思ったこともあった。


それからは外に出ず、閉じこもる日々が続いた。
そんな時...過敏性腸症候群に悩む人たちが集まる交流会の存在を知った。


もしかしたら何か変われるかも...そう思い、参加を決めた。
するとそこには、同じ症状に悩みながらも、夢を持ち前向きに生きている人たちがいた。


勇気をもらった彼女は現在、自らSNSで呼びかけ、
過敏性腸症候群で悩んでいる人たちと定期的に交流会を開き、
それぞれの悩みを打ち明けられる場を設けている。


ゆかさん同様に、この症状に悩んでいる多くの人々もこの交流会で救われたと語る。
彼女は自分を含めた過敏性腸症候群に悩む人たちのために、これからも交流会を
続けていくという。

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