放送内容

2019年3月19日 ON AIR

希代のワル!そう呼ばれた男の裏の顔

今年1月18日。
「詐欺」「恐喝未遂」で服役中だった元タレント羽賀研二、
本名・當眞美喜男が出所間近のタイミングで再び逮捕された。


芸能人として脚光を浴びていた羽賀研二。
しかし羽賀に約4億円を騙し取られた被害者は、彼を『希代の悪』と呼ぶ。


華やかに芸能界で活躍する裏で見せたもう1つの顔とは。


2億円以上の借金を抱えていた羽賀


約4億円をだまし取られたのは、大阪で不動産会社を営む男性。
男性が、羽賀と出会ったのは羽賀が33歳の時だった。
羽賀は、この男性に積極的に近づいていった。
この時、羽賀は誠実に見えた。


やがて羽賀が仕事で大阪に来るたび、会食する仲に。
そんな時、羽賀が多額の借金で苦しんでいる事を知る。


心配になり詳しく話を聞くと、
羽賀は「高い金利からの借金をなくして、安い金利の所だけにしたい」と言い、
この男性に金を貸してくれるよう懇願し始めた。


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それにしても羽賀にはなぜ借金があったのか?


1961年、沖縄で生まれた羽賀研二。父はアメリカ兵。
しかし、羽賀が生まれる前にアメリカ本国に帰ってしまい、女手ひとつで育てられた。
幼少時代は、貧しい生活だったが...高校生の時に、スカウトされ芸能界へ。


そして、21歳の時、「初代いいとも青年隊」に抜擢され、人気者に。
芸能界で活躍する一方、事業にも手を出した。


29歳の時、高級車を扱うディーラーの仕事をはじめた。
しかし世の中そんなに甘くはなく...2億円以上の借金を抱えてしまったのだ。


羽賀は借金の返済に苦しんでいた。
不動産会社社長の男性は、羽賀を信用し5000万円を貸した。


連日ワイドショーをにぎわす男


そんな羽賀は、モデルや大物歌手などと数々の恋の噂が飛び交い、
「プレイボーイ」として有名に。


そして、当時22歳の梅宮アンナとの交際が明らかに。
連日、ワイドショーをにぎわせるようになった。


そして、多額の借金を抱えている事も明るみになった羽賀。
カメラ前であまりに"誠意"を強調するがために彼は「誠意大将軍」と呼ばれるようになる。


当時は羽賀の借金返済のため、金を貸してくれる人がいればアンナも全国を飛び回り、
自分が連帯保証人となって金を借りた。


1998年、借金まみれの羽賀だったが、人当たりの良さと口のうまさで
沖縄のショッピングモールにレストラン、ブティック、美容室と3店舗をオープンさせた。


しかし、オープン当日の朝...羽賀は驚くべき事をアンナに言い始める。


開店にかかる費用3000万円がまだ未払いで、
このままではオープンできないと言い出した。
なんとアンナが借主になれば足りない分の金を借りられると言ってきたのだ。


しかし、店の外にはオープンを待ちわびる客。
そしてアンナは決断してしまう!羽賀のために3000万円借りたのだ!


こうして沖縄の店舗は何とかオープン出来た。
アンナにこんな面倒をかけたにもかかわらず、羽賀はグラドルなどとの噂が絶えなかった。


そして沖縄の店は、1年も経たないうちに経営が悪化。
やがて、あれほどまでに羽賀を支えていたアンナの心にも変化が。
1999年2月、梅宮アンナが破局を宣言した。


借金まみれの羽賀は梅宮アンナを失い、芸能界からも総スカン。
ワンルームマンション暮らしに転落した。


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株を使ったウソまみれの手口


この時、羽賀はこう思っていたという。


羽賀 「このままじゃ終われない。いつか見返す。
    その為には金だ...1日も早く借金を完済し、それ以上の大金を握らなければ...」


その後、羽賀はジュエリー販売会社と手を組み、全国を回る宝石販売の仕事で
借金を返済していく。


そして、羽賀の運命を変える出来事が。
とある店で出会った古い知り合いの男性。
彼は医療関係の会社をやっていて、近々上場させるつもりだと言う。
男性によると、その医療会社の株を有名企業やそうそうたる資産家たちが
上場前に大量に購入し始めているという。


上場する保証などなかったが、株なら大もうけできる...
金への執着が人一倍強かった羽賀は、その欲が抑えられなかった。


不動産会社社長のもとに現れた羽賀。
株の話を持ち掛け、再びお金の工面を求めた。


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男性はこの時、羽賀の口車に乗ってしまった。
以前貸した5000万円はきちんと毎月返済してくれているからと安心し、
さらに6500万円を貸すことに。


だが、羽賀はすでにある計画を実行していた。
男性には、1株100万円の株を50株購入すると言っていたが、
実際は1株40万円で、倍の100株を購入していたのだ。


そして、大金を手に入れる恐ろしい作戦を考える。
株の魅力を不動産会社社長に訴え、社長が興味を示すと、
実際は1株40万円で手に入れられる株を
50株を6000万円でだったら引き渡すなどと価値を引き上げて交渉。


社長はついに、
「上場後、株価が買値より下がったら全額返済するという」という条件のもと契約を交わし、この株を50株、購入してしまった。


こうして羽賀は、差額の4000万円を手に入れた。


株を買わせれば買わせるほど、自分に金が入る。
その後も同じ手口で株を購入し続け、羽賀は2億5000万円もだまし取った。


恩人からの借金を強引に踏み倒す


その金で沖縄にいくつもの物件を購入。不動産ビジネスを始めた。
さらに、およそ2億円するマンションも購入。


だが、その数か月後。
株を購入した不動産会社社長の税理士が、この未公開株に気づく。
その会社はすでに民事再生手続きを行い、倒産するところだった。


羽賀が予期していたかは不明だが、医療会社は上場する事なく破産。
この事実を知った不動産会社社長は、
羽賀にこれまでの借金、3億7000万全額の返済を求めた。


しかし羽賀は、開き直り謝る事もなかった。
弁護士を通じて、返済を求めたが返済は実現しなかった。


その後も何度も返済を求めるも...羽賀には、全く返す気はない。
それどころか...恐ろしい手段に出る。


2006年6月。
羽賀の取りたてに仲介に入ってくれた男から、羽賀側から利息を付け5億円を返済するという連絡があった。


これまでの利息も含め、5億なら何も問題ない。
2006年6月7日。男性が指定されたホテルに行くと...
そこには強面の男たちが。この場に羽賀はいなかった。


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明らかに状況がおかしい。
そして羽賀側の弁護士が見せた債権の処理方法の確認書を見て青ざめた。


そこには、「1000万円払うだけで株購入の金額は請求しないこと」、
さらに「貸していた残金分の返済も済んだ事にする」と書かれていた。


もちろんこんな内容は納得できない。
社長がサインを拒むと...別のテーブルで、恐喝まがいの言葉をかけられた。
強面の男たちは暴力団の組員だった。


結局...暴力団組員に脅され、1000万円で全てなかった事にする契約を交わすことに。
この脅しは羽賀が3000万円で依頼したとも報道されている。


そんな恐喝をしながら、その直後...なんと羽賀は一般女性との結婚を発表。
裏では恐ろしい事をしておきながら、何事もなかったかのように笑顔の羽賀。


借金のピンチを助けた恩人にもかかわらず、考えられない仕打ちを受けた男性は
羽賀と闘う事を決めた!


ついに逮捕...驚きの実態が明らかに!!


刑事告訴するため弁護士に相談するも、警察はなかなか動いてくれなかった。
そこで、知り合いの記者に話をすると、興味を示し記事にしてくれた。


週刊誌に恐喝の事が掲載されると、一気にマスコミが騒ぎ立て、
恐喝から1年、2007年6月30日。
仕事で香川県高松市に到着した羽賀を大阪府警が「恐喝」の容疑で逮捕した。


そして、およそ3か月後の9月20日、今度は「詐欺容疑」で再逮捕。


羽賀は無罪を主張していたが、
2013年3月28日「詐欺」「恐喝未遂」で懲役6年の実刑判決が下された。


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民事裁判でも被害者が勝訴。羽賀には、約4億円の賠償命令が下された。
羽賀は、裁判の控訴費用も金がないからと国が支払っていたが、驚きの事実が発覚する!


被害男性のもとに送られてきた重要書類と書かれた差出人不明の手紙。
その中身は...羽賀研二の現在の所有物件が沖縄県内だけでも6件あり、家賃収入だけでも
毎月300万円以上あるという情報だった。


さらに、現在の不動産評価として3億から4億もの不動産物件も所有していたことも判明。
手紙にあった物件の登記簿を調べてもらうと、本人のものと特定された。
しかも、羽賀が物件を購入した日は平成13年...男性が騙された年だった。


すぐに、羽賀の物件を差し押さえようとした。
しかしこの物件は財産分与されており、差し押さえることができなかった。


実は羽賀、約4億円の賠償命令が下ったわずか2か月後に離婚し、
沖縄で所有する16の物件、全ての権利を元妻に移していたのだ。


そして今年2月8日、服役中だった羽賀は、まもなく出所という所で元妻に財産名義を変え、財産の差し押さえを妨害する「強制執行妨害」の罪で起訴され、同じ容疑で元妻も起訴された。


再び、羽賀研二という男の裏の顔が世間をにぎわす事に。
仮に今回の件が有罪となり、全ての罪を償ったとしても数年後には出所してくる。


"希代の悪"と言われた羽賀...今度こそまっとうに生きて欲しい。

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