往路第1区:大手町~鶴見 21.3km
流れを決める1区
流れをつかむ上で重要な区間。1区での出遅れは致命的となるため、序盤から慎重な駆け引きが展開される。中盤までにペースを上げ隊列を大きく崩す年と、集団で牽制が続く年が五分五分。縦長のサバイバルレースから、17キロ過ぎの六郷橋に差し掛かるあたりで勝負の鐘が鳴る。集団を抜け出す、ラストのスプリント勝負は壮絶を極める。
〔区間記録:佐藤悠基(東海大) 83回/2007年 1時間01分06秒〕
往路第2区:鶴見~戸塚 23.1km
花の2区
各校のエースが集い花の2区と謳われる区間。距離が長い上、13キロからの「権太坂」、ラスト3キロの連続する上り坂「戸塚の壁」、後半に2箇所の山場が控える。まさに精神力、体力、勝負勘、全てが求められる区間といえる。また駅伝の醍醐味である「ごぼう抜き」も期待される。20チーム参加大会では17人抜き(村澤明伸/東海)が最多、23チーム参加大会だと20人抜き(ダニエル/日大)が最多となっている。
〔区間記録:M.J.モグス(山学大) 85回/2009年 1時間06分04秒〕
往路第3区:戸塚~平塚 21.4km
街から海へ3区
往路で最も気温差がある区間。前半10キロは遊行寺坂など海への下りが続く。浜須賀を曲がると海岸沿いの国道134号へ。左手に相模湾、正面に富士山を望む絶景が広がる。89回大会の海風は強烈で…防砂林の切れ目や17キロ過ぎの湘南大橋などで風の影響を大きく受けた。かつては"つなぎの区間"と呼ばれていた時代もあったが、近年は戦略的にエース級の選手を投入するチームが増えている。
〔区間記録:O.コスマス(山学大) 88回/2012年 1時間01分38秒〕
往路第4区:平塚~小田原 18.5km
最短区間4区
「トラック中長距離選手の登用と育成」を目指し、82回大会から距離が短縮された。15キロ付近の酒匂橋が勝負どころ。細かなアップダウンのみで比較的平坦。走りやすいコースでスピードレースが予想される。逆に走りやすいだけに、怪我の不安を抱えた選手や中距離出身のスピードランナーが序盤に無理をしてブレーキを起こすリスクもある。昨年は工藤(駒澤大)と田村(青学大)の二人の1年生が4年ぶりに区間記録を更新。
〔区間記録:田村和希(青学大) 91回/2015年 54分28秒〕
往路第5区:小田原~箱根・芦ノ湖 23.2km
山上りの5区
82回大会から延長され最長区間となった山上りの5区。標高差864mを一気に駆け上がり、最後4.5キロは逆に下る難コース。風光明媚な景色とは裏腹に、突風や雪、凍結した路面…厳しい自然条件が選手たちを苦しめる箱根駅伝の看板区間。89回は風速21mを超える暴風に晒されて城西大と中央大が相次ぎ低体温症と脱水症で無念の途中棄権。前回大会も駒澤大が脱水症状で首位から4位に転落。近年5区では波乱が起きている。その中、函嶺洞門のバイパス化工事によるコース変更で参考記録となった柏原(東洋大)のタイムを神野(青学大)が24秒も縮める好走を見せ一世を風靡した。
〔区間記録:神野大地(青学大) 91回/2015年 1時間16分15秒〕