第100回箱根駅伝の出場校・選手エントリーが2日(月)に発表されました。記念大会となる今年の予選会は、本大会への出場枠が例年より3つ多い「13」となります。また、参加資格が「関東学生陸上競技連盟男子登録者」から「日本学生陸上競技連合男子登録者」となり、全国の大学が参加可能となりました。ただし、エントリーするには10000m34分00秒以内の公認記録を持つ選手を10人揃えなければなりません。この要件を満たした、関西地区の立命館大学・京都産業大学・大阪経済大学・放送大学関西、東海地区の皇學館大学・愛知工業大学・中京大学、北信越地区の信州大学、北海道地区の札幌学院大学、中国四国地区の環太平洋大学、九州地区の日本文理大学が参加を表明。関東の46校を含め、史上最多の計57校がエントリーしました。

◆ スーパーエースを擁する東京国際大、安定感のある帝京大


東京国際大のリチャード・エティーリ選手。エースの走りが命運を握る

前回の箱根駅伝本大会で11位だった東京国際大学は4年ぶり、13位だった帝京大学は6年ぶりと、久々の予選会となります。本大会のシード常連校とはいえ、独特の雰囲気がある予選会を経験している選手がいないことは不安材料といえるかもしれません。とはいえ、5000mと10000mの日本学生記録をもつリチャード・エティーリ選手(1年)を擁する東京国際大、上級生を中心に安定した戦力を誇る帝京大ともに上位通過候補と見られています。
東海大学は、エースの石原翔太郎選手(4年)と駅伝主将の越陽汰選手(3年)を欠くやや苦しい布陣。それでも成長著しい花岡寿哉選手(2年)がタイムを稼げる上に、10000m28分台ランナーが10人以上おり、戦力が充実しています。
前回トップ通過の大東文化大学は、今年の全日本大学駅伝関東地区選考会でも城西大学に次いで2位に入っています。総合力を武器に予選の戦い方を心得ているといえるでしょう。
前回6位通過で55年ぶりに本大会出場を果たした立教大学は、今季のトラックシーズンは主力選手に自己ベストはそれほど多くありませんでしたが、前回のメンバーが数多く残っているのが強みです。予選会では前半から積極的なレースを見せてくれるでしょう。


前回55年ぶりの箱根駅伝出場を決めた立教大

前回予選会2位の明治大学は、本大会ではなかなかシード権に届かず、今年の全日本選考会では10位敗退と辛酸を舐めました。しかしながら、エース児玉真輝選手(4年)や前回大会7区区間賞の杉彩文海選手(4年)をはじめ、力のある選手が揃っています。
初出場から75回大会連続出場中の日本体育大学は新エースの山崎丞選手(2年)が軸。その他にもスタミナ型の選手が揃っており、手堅いレースを見せてくれそうです。
山梨学院大学は、1年生ながら関東インカレの1部ハーフマラソンを制したビリアン・キピエゴン選手が強力。7月には自己記録を更新する選手が続出し勢いがあります。
国士舘大学は、ピーター・カマウ選手(3年)の奮闘もあって、7年ぶりに全日本大学駅伝に出場を決めています。その勢いを箱根予選会にも繋げたいところです。
専修大学は前回日本選手トップの木村暁仁選手(4年)が外れたものの、近年の予選会でしぶといレースを見せています。予選突破へは、今季の前半戦に出遅れていた最上級生の復調が鍵となりそうです。
以上の10校が前回の本大会に出場したチームで、連続出場を狙います。

◆ 10年ぶり出場の好機を迎えた東農大は、ルーキー前田に注目


10年ぶりの箱根路を目指す東京農大は、ルーキーの前田和磨選手に注目

箱根路への返り咲きを目指すチームでは、神奈川大学の戦力が充実。前回の予選会は主力選手の欠場が響き、次点の11位で本大会出場を逃しましたが、前回予選会を走った選手、さらに本大会経験者も多く残っています。
中央学院大学は、FISUワールドユニバーシティゲームズのハーフマラソンで日本勢最高の4位に入った吉田礼志選手(3年)が大黒柱。その他にも、ハーフマラソンで好記録を持つ選手が多く、上位通過できる戦力が十分に備わっています。
今季の前半戦、勢いを感じさせたのは東京農業大学。ルーキーの前田和磨選手は、全日本選考会で留学生と互角の戦いを見せ、10000mで28分03秒51の好記録をマーク。14年ぶりの全日本大学駅伝出場に大きく貢献しました。4年生の高槻芳照選手、並木寧音選手は過去に関東学生連合で箱根駅伝を走った実力者。この強力な三本柱を軸に、10年ぶりの箱根駅伝出場へ大きなチャンスを迎えています。
箱根駅伝で総合優勝12回を誇る日本大学は、留学生のシャドラック・キップケメイ選手(1年)が強力。日本選手でも、前半戦は下尾悠真選手(4年)が好調でした。倉敷高校を3度の日本一に導いた新雅弘氏を新監督に迎え、4年ぶりの本大会出場を狙います。
前々回に初出場を果たした駿河台大学、第1回大会を制した東京高等師範学校を前身とする筑波大学、大分東名高校の指揮をとっていた井上浩氏が新監督に就任した拓殖大学も、返り咲くチャンスがあるでしょう。

初出場を目指すチームでは、麗澤大学と日本薬科大学に注目。麗澤大は、悲願の箱根駅伝出場にあと一歩というレースを何度か経験していますが、今年の全日本大学駅伝選考会では過去最高位の11位と着実に力を付けています。日本薬科大も日本選手の底上げが進んでおり、ボーダーラインが見えてきました。
関東以外では立命館大の戦力が充実。第40回大会は招待校としてオープン参加でしたが、今度は正式な参加校として60年ぶりの箱根駅伝出場を目指します。

従来よりも3枠増えたとはいえ、狭き門であることに変わりはありません。最大12人が走り、上位10人の合計タイムを争うこの予選会、今回もまた激戦が繰り広げられるでしょう。

◆ 個人トップ争いはエティーリが軸。日本選手トップ争いも激戦必至
個人トップ争いは、東京国際大のエティーリ選手が軸となりそうです。トラックではすでに“史上最強留学生”と称されるほどの活躍を見せていますが、ロードでの走りにも注目が集まります。
9月の日本インカレ10000mで最後までエティーリ選手に食らいついた日大のキップケメイ選手、ハーフマラソンで実績のある山梨学院大のキピエゴン選手らが対抗となるでしょう。
日本選手では、中央学大の吉田選手が上位候補。東京農大のスーパールーキー・前田選手も引けをとりません。彼らには留学生相手でも積極的なレースを期待したいところですが、絶対に失敗を許されないレースだけに、手堅い走りとなるかもしれません。チームの戦略が個人の順位を左右しそうです。