プレスリリース

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2022年04月28日

映像情報メディア学会技術振興賞6年連続受賞
番組制作効率化と新表現、取材映像のファイル伝送の2テーマで受賞

 日本テレビ放送網株式会社(本社:東京都港区 代表取締役社長執行役員:杉山美邦、以下日本テレビ)は、(一社)映像情報メディア学会にて、「技術振興賞進歩開発賞(現場運用部門)」を受賞致しました。技術振興賞は6年連続での受賞となります。
 この賞は毎年、映像情報メディアに関する研究や開発等で著しい功績をあげた個人、団体に授与されます。
 日本テレビでは、今後も積極的な新技術の開発・導入により、皆様への魅力的なコンテンツ提供と番組制作に取り組んでまいります。

■受賞テーマ:AIによる業務効率化と番組新表現を
実現する社内開発システム「エイディ」

 社内開発したAI業務支援・高度化システム「エイディ」は日本テレビの番組制作や事前準備等、様々なシーンで既に活用されております。主に以下の点が高い評価を受け、受賞に至りました。

①番組制作・準備作業の効率化と高度化
・「英語テロップの自動日本語変換」、「競技スコアの自動入力」など番組中のCGオペレーションの自動化を実現しました。
・一部コンテンツの映像監視を自動化し、より安定した視聴者へのコンテンツ提供を実現しました。
・CGトラッキング表現のリアルタイム処理を可能とし、生放送での表現を実現しました。

②生放送における新しいCG合成手法を実現
・グリーンバック等設置できない環境でも背景CGの合成を可能にしました。
・距離推定と組み合わせることで、物体の前後だけでなく、物体と物体の間にもCG合成が可能となりました。

③AI学習準備作業における工夫
・学習用「架空画像の生成」や「ラベリング作業の自動化」により、膨大な時間を要する学習の準備作業を省略し、現場でAIがより気軽に活用できる環境を構築しました。


英語テロップの自動日本語変換

CGトラッキング表現

新CG合成手法

●受賞者のコメント
★起案/開発/運用 篠田貴之(技術統括局 デジタルコンテンツ制作部、過去5年AI開発テーマで連続受賞)
 「日本テレビでは従業員のひとりひとりが働きやすい環境を構築するために制度の改善を積極的に行っています。同時に本システムのような業務効率化につながるテクノロジーの開発・導入もその改善には欠かせないものであると認識しており、会社全体としてのコンテンツ制作力の向上に繋げたいという想いで長年開発を継続しております。さらに本システムは上記の通り、CG合成の新手法等の新たな番組表現も実現できることから、直接的に見える形で皆様にとって魅力的なコンテンツが届けられるよう更なる発展に向け開発を進めてまいります。」

■受賞テーマ:WEBブラウザ上で動作する
素材アップロードツール「クラポ」の開発 (※1)

 報道・情報・スポーツなどの取材現場から、スマートフォンやPCからWEBブラウザを使用して映像ファイルや静止画ファイル(以下素材)を送ることができるツールを開発しました。
本ツールは専用ソフトウェアを使用せずにUDP通信と同等以上の高速アップロードが可能で、従来は手動で対応する必要があった多くの手順を自動化し、現場の記者やディレクターが日本テレビ本社のニュース編集システムへ素材を直接アップロードすることができる一気通貫の作業フローを実現しました。また、2次元バーコード(QRコード)出力機能によりユーザー登録無しでアップロードできるなど、運用面の業務効率化等が高く評価されました。

クラポの主な機能
・素材のアップロード/ダウンロード
・ワンタイムURL発行
・編集システムとのメタデータ(取材情報)連携
・素材プレビュー
※1:共同開発:日本電気株式会社
  技術協力:オクルウェブ合同会社

スマホWEB画面

●受賞者のコメント
★起案/設計 小池中(技術統括局 コンテンツ技術運用部)
 「クラウド」の「ポスト」に素材を投函したら本社に届く、をコンセプトに誕生した「クラポ」は、取材の最前線で活躍する記者やディレクターにとって縁の下の力持ちのような存在として多様な現場で用いられています。今回、名誉ある賞をいただくことになり、開発に関わったチーム一同感激しております。ありがとうございました。
★設計/運用 杉田佳則(技術統括局 コンテンツ技術運用部)
 「クラポ」の開発には多くの壁が立ちはだかりましたが、開発メンバーと助け合うことで乗り越え、今では取材現場に欠かせないシステムとなりました。こうして「クラポ」の活躍を評価頂いたことは大変光栄であり、この喜びをメンバーと共有したいと思います。ありがとうございました。

~過去の映像情報メディア学会 技術振興賞 受賞歴~
※受賞時の年度で記載しております

2021年 ●コンテンツ技術賞
「AIキャッチャーの開発と運用」
※:共同開発:データスタジアム株式会社
2020年 ●コンテンツ技術賞
「画像認識AI技術によるフィールド競技のコンテンツ解析と制作」
※協力:株式会社東芝、東芝デジタルソリューションズ株式会社
●進歩開発賞(現場運用部門)
「テレビ番組制作支援用『AI顔認識』システムの開発」
※共同開発:株式会社東芝、東芝デジタルソリューションズ株式会社
2019年 ●コンテンツ技術賞
「アンドロイドアナウンサー・アオイエリカの開発と運用」
●進歩開発賞(現場運用部門)
「ヘリコプター空撮支援マップシステム」
※共同開発:株式会社 コスミックエンジニアリング
●進歩開発賞(現場運用部門)
「画像認識AI を用いた番組応用と展開」
※共同開発:株式会社東芝、東芝デジタルソリューションズ株式会社
2018年 ●進歩開発賞(現場運用部門)
「ロードレース中継における画像認識技術を用いた制作支援~AIを用いたReal-time Indexing~」
※共同開発:株式会社東芝、東芝デジタルソリューションズ株式会社
●進歩開発賞(現場運用部門)
「ネットバンドカメラの開発と運用」
※共同開発:株式会社日テレ・テクニカル・リソーシズ
●コンテンツ技術賞
「テレビドラマの世界観をいつでもどこでも会話で楽しめる『AIカホコ』」
2017年 ●進歩開発賞
「情報漏えい防止型SDメモリカード『インターフェースロック機能Mamolica™ 付きSDメモリカード』の開発」
※Mamolicaは東芝メモリ株式会社の商標です

<以降省略>

以上
日本テレビ放送網株式会社 社長室 広報部