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2010年07月06日

ルーヴル美術館「ミロのヴィーナス」展示スペースの改修工事が日本テレビの支援で完成

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「ミロのヴィーナス」像の展示スペースにて

 

 ルーヴル美術館が誇る至宝の一つ、「ミロのヴィーナス」像を中心とする古代ギリシア美術の新しい展示順路が完成し、現地時間7月5日(月)にルーヴル美術館で完成披露式が行われました。
 式典の主催はルーヴル美術館のアンリ・ロワレット館長で、主賓として、フレデリック・ミッテラン文化大臣の代理でフランス歴史建造物局長と、この事業を資金面で全面支援した日本テレビの氏家齊一郎会長が出席しました。
 日本テレビが支援した今回の事業は、「古代ギリシア部門全体の展示替えプロジェクト」という大計画の一環で、ヴィーナス像は今回セーヌ川に面した、南側ギャラリーの最後に位置する展示室に移されました。これにより、ギャラリーの突き当たりに展示されていたために、いわゆる「見学渋滞」を引き起こしていた状態が大きく改善されることになりました。
 この作業は昨年の11月から今年の4月まで、ルーヴル美術館の古代ギリシア・エトルリア・ローマ美術部門の専門家たちが、およそ半年間にわたって実施してきたもので、ヴィーナス像の保存状態の詳しい調査、過去に行われた修復作業のチェック、今後の修復計画を立てる研究などを行ない、ギリシャ彫刻群全体の学術的に系統立った展示方法を決定、像の修復と天井、壁面、床の洗浄と修復、各彫刻の台座の新設など大規模な工事を行いました。
 1820年にエーゲ海のミロス島で発掘され、1821年にルーヴル美術館に送られたこの像は、発掘当時、鼻と下唇の一部、右足の親指、右の腰の一部などが欠損していたため19世紀までの補修の流儀に沿ってこれら欠損部分の補刻と接合が行われました。
 特に大きな議論を呼んだのが腕の欠けた状態で発掘されたヴィーナスに新たな腕をつけるかどうかで、当時としては例外的に欠けたまま展示されることになったということです。
 日本テレビはこれまでに「モナ・リザの展示室」設置事業に協力しましたが、今回のヴィーナスに続いて、これから始まる「サモトラケのニケ」像の修復とそのスペースの環境整備事業にも全面協力することを決めております。ルーヴル美術館が誇る三大至宝のすべてを、完全な状態で後世に引き継いでいくという大きな文化事業に貢献することになります。


日本テレビ放送網株式会社 総務局 総合広報部