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番組向上への取り組み

放送番組審議会

2015年7月番組審議会概要

第490回日本テレビ放送番組審議会は、日テレ×Hulu共同製作ドラマ『ラストコップ』に関しての合評を行いました。
この作品は海外人気ドラマのリメイク版で、30年間こん睡状態だった刑事が突然目を覚まして事件を解決していくという娯楽エンターテインメント作品。
荒唐無稽なストーリーをきっかけに、人生の失った時間にどう取り組むのかと、今を精一杯生きることをテーマに製作した。

また、第一話のみ日本テレビで放送し、二話以降は動画配信サービスHuluのみで配信するという新しい試みにも挑戦しています。

A委員:
平成と昭和の世代間ギャップがフリーズドライされているような感じで、ベテランと若手の差が面白かった。眠っていたのが30年というのは長すぎるし、22歳で眠った割には刑事としてのスキルを身につけすぎているのではないかと思った。
B委員:
30年こん睡していて離婚できるのかというのが、最初に引っかかった。ストーリーは面白かったが、法律の部分が引っかかって最後まで頭を離れなかったので、今後、こういう番組を作るときに少しチェックして貰えたら、もう少し楽しめたのではないかと思った。
C委員:
30年間眠っていた男が、目覚めてすぐに職場復帰するのを見て驚いたが、刑事同士の世代間の対立、価値観の違い、捜査手法の違いも含めて面白かった。
D委員:
アクションの殺陣もいちいち懐かしく、52歳の主人公の戸惑いもわかり、不思議な設定ではあったが、この人はどうなるんだろうという部分を唐沢さんが好演していたと思う。
E委員:
次のストーリーが先読みできる分かりやすさが「昭和だ」と感じた。一つ一つのエピソードに温かさもあり、「昭和も良いが、今も良い、両方良い」という前向きさがあって、良く出来ていると思った。
F委員:
こういうドラマは世界観に入れるかどうかがポイントだが、入ろうとすると、邪魔をされる。面白くないことはないが、夢中になるにはハードルがいくつかあって止められる感じが続いた。細部をもう少し丁寧に作って貰えると良いと思った。
G委員:
大人のファンタジーこそ、細部をきちんとして欲しい。若く見える唐沢さんは、若い頃はもっと若かったと思うので、CGなどを使って合成ができたのではないか?そうすれば、失った時間の悲しみが見えたのではないか?もっともっと出来たのではないかと思った。
H委員:
昭和と平成を比較して、現代の抱えるいろんな問題を見せてくれたし、家族とは何かや、涙を誘ういい場面もあった一方で、ネット時代は非常に怖い時代で、どういう心構えで生きていかねばならないかが伝わってきた感じもあった。
I委員:
初めは大人向けかと思ったが、中身はコミカル仕立てになっている。子供は無料ならば見るが、お金を払って見るのは中高年なので、中身を中高年向きのものにすると、地上波とインターネット放送のドッキングも上手く行くのではないか?と思った。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

番組担当者
「地上波で放送された第一話だけを見た視聴者の方に不満を持たれないように、2時間の中で完結するように気を付けた。また、内容に関しては、最近の刑事ドラマになかった『破天荒さ』を前面に出すことで、昔の刑事ドラマのようなワクワク感がある娯楽エンターテインメント作品を目指して製作したが、皆さまのご意見を参考にして、今後の番組作りに生かしていきたい。」