第504回日本テレビ放送番組審議会は『市川海老蔵に、ござりまする』に関しての合評を行いました。(欠席2名)

この番組は、市川海老蔵さんと妻の麻央さんの出会い以来、一家を密着取材し、2014年から毎年1月に放送してきたドキュメンタリー特番で、去年6月の「がん公表記者会見」の舞台裏や、騒動の中で奮闘する海老蔵さんの姿を描きました。

  • 『勧進帳』で全国を回るときの海老蔵さんのセリフで2つのストーリーが重なった気がする。「凄く強い光を浴びる人には、その分、影がある」という宿命のようなものも感じて、色々と考えさせられる番組だった。
  • 長期間の密着取材による信頼関係があったからこそ、色々と映像が撮れたのだという気がした。これからも適度な距離感を保ちつつ、5弾、6弾と続けて行って欲しいと思った。
  • 落ち着いて、静かでとても見やすかった。シーンも少なく、ゆっくりしゃべるし、カメラもブレない上、出てくる人の目が強くて言葉が少ないので、情報量が多い。凄く集中力が高い番組だったと思う。
  • 描かれる方と取材する側の信頼関係が、画面やナレーションから伝わってきて、映像の持つ重さと、それを支える信頼関係、テレビの持つ重みを伝えた、いい番組だったと思う。
  • ナレーターが時系列を説明しようとしていたが、2回見て分かったくらいなので、1度しか見ない人は分かりにくかったのではないかと思った。
  • 海老蔵さんよりも麻央さんが主役で、麻央さんから影響を与えられて違った人間になっていく一人の人間の話と考えると、とてもよく出来ていると思った。また、麻央さんの声を表すブログのところをナレーターが読んでいたが、あれは必要ないと思った。
  • 歌舞伎の深さを役者がどういう考えで演じているのかを知らせてくれたのは良かった。『勧進帳』だけでなく、ほかの演目も教えてもらえたら、もっと歌舞伎を見たくなると思った。
  • 子供に対する愛情表現には、ドラマではない父親の真の姿が現れていて感動した。随所に海老蔵さんの芝居に対する姿勢と奥さんに対する愛情、子供に対する愛情などが上手くかみ合って表現されていた。構成の仕方も見事だと感心した。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「色々な視点や角度からアドバイスと感想をいただきました。皆さんのご意見を参考に、今後も長く続くように頑張っていきたいと思います。」