STORYストーリー

102019.03.23

たく(坂口健太郎)をかばい、フードを被った男に刺されたかえで(川口春奈)。男が逃走する中、病院に事情を聴きに来た刑事から警察を信用していない弁護士として皮肉を言われた拓に、別府べっぷ(杉本哲太)は裁判で勝つ見込みがないのに過去の事件にこだわり警察や検察を敵に回すのは自己満足だと叱責する。翌朝、責任を感じる拓が見守る中、楓が病院で目を覚ます。
一方聡子さとこ(市川実日子)は、殺された京香きょうかと、殺人を疑われている富士田ふじた(坂本真)のSNS上に『KooZ』という共通の“友達”がいることに注目する。しかも11年前に殺された彩花あやかのブログと、自殺した浅間あさま大輔だいすけ(鈴之助)のブログにもKooZという人物がコメントを残していたのだ。そしてKooZのSNSのトップページ画像には被害者たちの首の傷と同じ形“勾玉まがたま”の模様が……。勾玉の形が英語で名詞につくと所有を表す「’(アポストロフィ)」に似ていることに気づいた秋保あきう(藤木直人)は「被害者たちは自分の所有物だ」という犯人の主張かもしれないと推測する。富士田は接見に来た拓にKooZがネット上で友達申請をしてきた面識のない人物だと話す。



そんな中、楓を刺したという男・神津こうづ一成かずなり(武田真治)が自首をする!衝撃が走る中、事務所には神津の弁護士・道後どうご(中西良太)が示談交渉に訪れる。犯行は衝動的なもので本人も深く反省していると話す道後だが、拓は神津の職歴の「大学学生課職員」の記載が気になる。実は神津が勤めていたのは殺された京香が通う大学。さらに『こうづ』と『KooZ』の類似に偶然以上のものを感じる拓は神津との接見を願い出る。
翌日、拓は神津の接見へ。何気ない会話の中に11年前の事件との関係をわざと匂わせるような神津の態度に緊張を高める拓。かつて東央大学の学生課で働いていたと話す神津は、立会いの警察官が席を外した隙を狙って、今回の2件と11年前の事件の被害者は全て自分が殺したと拓に囁く……!!



証拠がないため、真犯人を前に何もできないことに苛立つ拓は、湯布院ゆふいん(志賀廣太郎)と共に11年前に捜査に当たっていた元刑事・草津くさつ(佐藤B作)を訪ね、殺害現場の遺留品に煙草の吸殻があったことを知る。浅間が喫煙者でなかったために、証拠品として採用されなかったのだ。
拓は地裁に対し、証拠品の開示と再審請求を行う。聡子の尽力で過去の事件が再びマスコミでも取り上げられ真実に近づいた矢先、東京地検が嫌がらせとしか思えない言いがかりを付け、事務所に捜索差押に押しかける。さらに再審請求は棄却、吸殻の証拠品も該当する物がなかったという通知が届く。拓は一連の検察の嫌がらせの背後に父親・しん(草刈正雄)の存在を感じ、実家へと向かう。検察の面子を保つために真相を隠蔽しようとする検察のやり方を責める拓に対し、真は現場に残された煙草の証拠について「知らなかった」と答える。父の言葉に憤りを覚える拓だが、病院を飛び出し拓の後を追ってきた楓は、真が「証拠なんてなかった」ではなく「知らなかった」と答えたことに希望を見出す……。
捜索差押によって資料を持ち去られ開店休業状態になった事務所に戻った二人を待っていたのはズラリと揃った同僚たち。これまで冤罪にこだわる拓に否定的だった別府は、検察の横暴に屈せず冤罪を晴らして事務所の正当性を明らかにすることで責任を取れと拓に話す。刑事事件は嫌いだと言いながらも、11年前の事件がきっかけで亡くなった兄の無念を晴らしたいという気持ちを持ち続けていた別府を筆頭に、事務所のメンバーたちは一丸となって冤罪を晴らすべく立ち上がる。
事務所総出で証拠探しに奔走する中、拓と楓は真の「知らなかった」という言葉を頼りに、遺留品の吸殻が検察ではなく警察に保管されていると確信し警察署へ向かう。草津の協力を得て警察署で吸殻を手に入れた拓は、DNA型鑑定に必要な神津の皮膚片を持って秋保の元を訪ねる。被害者遺族の心の痛みを知ることはできないながらも、冤罪被害によって命を絶たなければならなかった浅間が生きていた時の温かさは知っていると話すまっすぐな拓に、過去の事件を蒸し返すことを拒絶していた秋保の心は再び揺れる。
その夜、拓は楓にかけられた『分からない』ということは『とことん分かろうとすること』だ、という言葉を思い出し、神津の経歴書にあった『前科一般』『痴漢』の文字に目を留める……。
そして裁判の日。法廷に立った拓は富士田が殺人を疑われている事件現場にあった吸殻と11年前の殺害現場にあった吸殻の鑑定を行ったと話す。証言台に立った秋保は二つの吸殻のDNA型鑑定の結果、同一人物の吸殻であったと証言。吸殻が悪意ある第三者による偽装工作かもしれないという検察の指宿いぶすき(小市慢太郎)の反論を逆手にとった秋保は、検察側が富士田の犯行の根拠にしている状況証拠についても同様の危うさがあるのだと指摘する。
そして、法廷に現れた真が見守る中、弁護側証人として神津が証言台に立つ。DNA型鑑定の結果吸殻が神津のものだったことと、事件現場付近の監視カメラに映った姿などの証拠から言い逃れできない状況に立たされた神津は、開き直った態度で3件の殺人全てが自分の犯行だと認める!日本の警察や検察の問題点を浮き彫りにするために、罪を着せる人間を選んで計画的に犯行を遂行したと平然と語る神津の態度に法廷は騒然とする。傍聴席の秋保が怒りに震える中、拓はかつて4度の大学受験に失敗した神津が、5度目の受験でようやく希望の大学への入学を控えていた時に電車内で痴漢の罪を着せられて進学を断念した過去について突然語り出す。神津のことが『分からない』と思っていた拓は神津を知るために過去の前科について徹底的に調べ、神津自身が冤罪被害で人生をメチャクチャにされた事実に辿り着いたのだった。核心を突かれ激しい怒りを爆発させる神津に、拓は冤罪の苦しみを誰よりも分かっていたはずの神津が他人に罪を着せ、反省もせずにいることを激しく追及する。そして、拓が主尋問を終えたその時、傍聴席の真が11年前の事件の担当検察官として自ら手を挙げ、言葉を発する……。真は明らかになった真相を前に、かつて自分が有罪を主張したことで無実の浅間を自殺に追いやった過ちを心から謝罪する。拓はこみ上げる思いを胸に、改めて富士田と、自殺した浅間の無罪を主張する。
裁判を終え、積年の心のつかえが取れながらも被害者たちは帰ってこない現実を前にスッキリとはできない拓に、秋保はやっと亡くなった妹と浅間の死を悼むことができ救われたと話す。一方、真は検察官の請求権を使い、11年前の事件の再審請求をしようと決意していた。真の検察での立場を心配する指宿に、真は「過ちは正す必要がある」と返す。
数日後。裁判の結果を受け、保駿堂法律事務所には刑事事件の依頼が殺到していた。拓に触発された石和いさわ(赤楚衛二)穂香ほのか(趣里)は刑事事件の弁護士を目指して司法試験の準備を始め、晴れて上司の許可を得た聡子は拓の特集番組を作るため取材に押しかける。一方秋保は民間の科学捜査機関の立ち上げを計画。そして拓と楓も次の仕事に向け生き生きと新たな一歩を踏み出していた。



このストーリーを
シェアする