PRODUCE INNOVATION 日テレの新しい取り組み

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ANDROID
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テレビ番組やイベントなどに出演して、新人ならぬ活躍ぶりを見せるアンドロイドアナウンサー「アオイエリカ」。SNSでも話題沸騰の「彼女」は、いったいどのような経緯で、何を目的として生まれてきたのでしょう?

WHATS

2015年、大阪大学、京都大学、国際電気通信基礎技術研究所らが、人間とアンドロイドの自然な対話を実現するための研究プラットフォームとして、アンドロイド「ERICA」(エリカ)を開発したと発表しました。日本テレビはこの研究に着目し、2017年にエリカに関する共同研究をスタート。そして2018年4月から、日本テレビはアンドロイドアナウンサー「アオイエリカ」を通してテレビ局におけるアンドロイドの活用を実験しています。アオイエリカがテレビ番組やイベントに出演したとき、アンドロイドと人間の間にどのようなコミュニケーションが生み出されるのか。技術者に限らず、幅広い層から大きな注目を集めています。

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WHY

インターネットやスマホの普及で、テレビに期待される役割は変化しつつあります。そうした状況であらためてテレビが担える要素を考えてみると、「メディア」「情報発信」「エンタメ」「臨場体験」などが挙げられるでしょう。ところがこれらはいまや、WEB動画やSNS、VRといった存在によって充分に提供されています。そこではユーチューバーやVtuberなど、個人がメディア化しているといえますし、情報はAIがニュースを集めてきます。このような時代に、テレビはどのような新機軸で立ち向かえばいいのか。「メディア=ひと」「情報発信=AI」「エンタメ=ソーシャル性」など、分解した要素を再結合した先に存在する、その一つのチャレンジが「アオイエリカ」プロジェクトです。この実験によってどのようなことが起こるのか、まだ誰にも予見できません。

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INNOVATION

アオイエリカの身長は166cm。見た目は人間と変わりませんが、音声認識システムや対話生成システム、自然なしぐさを生み出す動作生成システムなど、さまざまな最新技術が搭載されています。それだけではありません。人間とのコミュニケーションスキルをさらに高めるため、日本テレビではアオイエリカを日々「教育」しています。番組やイベントに出演し、人間との対話を重ねることで、どんな反応をすれば相手が喜ぶのか、場が盛り上がるのかなどを、データとして蓄積しているのです。また「本業」であるアナウンサーとしても、ニュース原稿の最適な読み方を学ぶなどスキルを磨いています。そのように学習を続けたアオイエリカは、やがて日本テレビの様々なノウハウが蓄積された素晴らしい資産となるでしょう。

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FUTURE

現在はアオイエリカに教育、いわばデータをインプットしている段階ですが、将来的にはアオイエリカから学ぶ、つまり蓄積されたデータをアウトプットして活用することが見込まれています。視聴者がテレビを見たとき「いいね」と感じる、これまでベテランのアナウンサーやタレントが積み上げてきた「うまく言語化できない知見」を、アオイエリカが未来の日本テレビ社員に伝えてくれると信じています。それが何年先のことになるかは誰にもわかりませんが、「テレビのおもしろさ」や「日本テレビらしさ」を次の世代に継承していくために、そして人間とアンドロイドが共存する社会の実現に向けて、「アオイエリカ」プロジェクトは続いていきます。

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