「ここに明記された75名の生徒を、皆さんの力で退学処分にしてもらいます」――。やる気もないのに学校改革委員に抜擢されてしまった
実は森口は理事長の甥っ子で、来年から新たに理事長に就任する予定だという…。経営危機にある名新学園を立て直そうとする森口は「私が理事長になるまでの1年間で、かつての名新以上のブランド力を作り上げます」。そのために、名新のブランドを汚す可能性のある素行の悪い生徒たちを一斉排除するというのだ。生徒を監視して退学に追い込める口実を見つけろと言う森口は、有益な報告を上げた者への昇給を約束。すると難色を示していた教員たちも途端に態度を変えて…。
面倒事に巻き込まれたくない静は傍観を決め込もうとするものの、校長の
森口が作った退学候補者リストの中に、静のクラスの生徒は10人。その中に
ところが、家計に余裕がないはずの宮沢がなぜか高級腕時計を身に着けていて…。宮沢の“ママ活”を知ってしまった静は、退学を阻止するため、森口にバレる前に問題を解決しようとするが…。
静が首を突っ込んだことで事態はさらに悪化！！なんで学校をやめちゃいけないの…！？静が流す涙のワケとは…！？
家計に余裕がない宮沢は、自分を大学生だと偽り、40代の女性・真山理恵（野波麻帆）を相手にママ活をしていた…。2人のデート現場に静が現れたことで宮沢の正体を知った理恵は「あんた未成年なの！？」と激怒。プレゼントした時計を宮沢から奪い返し、「これは詐欺よ！絶対に許さないから！」と怒りをあらわにする…。
宮沢のママ活は、言うまでもなく生活のためだった。母子家庭で家計はギリギリ。高校生が普通のバイトでもらえる額はたかが知れているし、そもそも普通にバイトをしていたら勉強時間がなくなる。「僕は勉強していい大学に入りたいんです！この生活から抜け出すためにはそれしかないんです！」。しかし、ママ活がバレたら学校は退学となり、大学進学は厳しくなる…。静は「私は何も見てない。だから学校には何も報告しない」と見なかったことにしようとするが…。
翌日、宮沢のママ活が学校の職員たちにバレてしまう…！逆恨みした理恵が「宮沢にダマされた。詐欺で訴える」と学校に連絡してきたのだ。森口から自主退学を迫られる宮沢。知らせを受けて学校に駆け付けた宮沢の母・弘子が「全ては私の責任です！」と自分の経済力のなさが原因であると訴え、息子を退学にしないでほしいと土下座して頼み込むが…。そんな母の姿を見ていられない宮沢は「俺、退学します。大学に行きたかったけど、特別何かやりたかったわけじゃないし…もうどうでもいい」と、自らサジを投げてしまう…。
静は宮沢を追い詰めてしまった自分を責め、京子の前で「私はいない方がいいです。いつもそう…私は疫病神なのかもしれないですね…」。その言葉の意味に2年前の出来事も含まれていると察した京子は「自分で自分をそう決めつけるなら、あなたはそういう人間にしかなれないわ」と一喝。「自分が何かすれば人が不幸になる…そこでやめたらそれが結果だけど、そこでやめないで人が幸せになるまで何かしら続けたら、それが結果でしょう？…諦めなければ人はなりたい自分になれる」。京子の言葉を静は黙って受け止めて…。
その夜、静は理恵と示談交渉をする。宮沢を詐欺で訴えることはできないし、むしろ逮捕される可能性があるのは理恵の方…というスマホ検索で得た知識をまくし立てる静。その結果、理恵が宮沢のために使った50万円を静が肩代わりして返金することで示談が成立。『宮沢を詐欺で訴えない』『ママ活もしていない』という理恵の念書を持って宮沢のもとに向かった静は、退学する理由はもうなくなったと伝えるが…「いい加減にしてください！同情しないでください！」と宮沢に突っぱねられてしまう。「学校やめてもなんとかなりますよ」と意地を張る宮沢。静は「あなたの気持ちは分かった…だけど1つお願いしていい？明日…必ず学校に来てくれない？」。その夜、静は眠い目をこすりながらスマホに向かい、宮沢への“説教”を懸命に考える。その目は、もはや教師のそれで…。
翌日、静は学校に来てくれた宮沢を連れ、森口と
失意の静は、2年10組の教壇に立ち、「今日は皆さんに、お知らせしなければならないことがあります……宮沢圭太くんが…学校をやめることになりました…」。ざわつく生徒たちが「どういうこと？」と静を問い詰める。何も答えることができない静の目には、涙があふれ……「ごめんなさい…ごめんなさい…」。
翌朝、学校の廊下の壁に、『麗美静は人殺し』と書かれた紙が大量に張り出されていて――。