『麗美静は人殺し』――。
2年10組の教室でも、貼り紙の話題で持ち切り。静のことを人殺しと決めつける生徒たちの中で、
さっそく事態を聞きつけた保護者たちが学校に乗り込んで来る。保護者会役員でもある田沢の母・直子(中島亜梨沙)から説明を求められた静は、森口の指示に従って貼り紙の内容を否定。おかげで保護者ともめずに済んだものの、適当な言葉で問題をうやむやにしてしまったことに心が痛み…。
そんな中、2年10組で暴行事件が発生!?田沢が体育館裏で海斗に殴られたと言うのだ。海斗は「テキトーなこと言ってんじゃねーよ!」と暴行を否定するものの、連絡を受けた海斗の母・真紀(雛形あきこ)はロクに説明も聞かずに「あの子が暴力を振るったんだと思います」と息子の非を全面的に認めてしまう。実は海斗は中学時代に暴行事件を起こしたことがあり…。森口の『退学候補者リスト』に入っていた海斗は、これをきっかけに退学の危機に追い込まれてしまう…。
どうすれば人に信じてもらえるの…?なりたい自分になるにはどうしたらいいの…?暴行を否定する海斗を静は救えるか!?そして、静の過去には一体何が…!?
海斗は学校を早退し、母・真紀に「殴ってない」と主張するが、「ウソ言わないで!やっぱり、あんたはあの男の子供なのよ…」と真紀。ショックの海斗は、それ以上何も言えなくなってしまう…。
一方、静は貼り紙の件ですっかり意気消沈。出張先から一時的に戻った京子、母・
翌朝、学校に向かう静を海斗が待ち構えていた。「学校にあの貼り紙を貼ったの…俺なんだ。理由を聞きたかったら…俺と一緒に来てくれ」。驚く静は、学校を休んで海斗について行くことに。
静の代わりに2年10組のホームルームを任された
静と海斗は海まで来ていた。浜辺で海を見ながら話す2人。貼り紙の話は海斗のウソで、静を連れ出すための口実だった。田沢を殴ってなどいないと言う海斗は「どうすれば人に信じてもらえるようになるのかな?」。中学2年の時、ささいな口論からクラスメートを殴ってケガをさせてしまった。その時、真紀に「何でそんなことしたの!」と詰め寄られ、海斗は思わず真紀を突き倒してしまったのだ。暴力を振るう元夫と離婚したばかりだった真紀は「あんたもあの男と同じなのね!」と、それ以来、海斗のことを信用しなくなったという。ちょうどその頃、海斗自身も、父と同じ血が流れているせいで、いつか自分もそうなってしまうのではないかという不安とずっと闘っていた…。「先生はもう知ってるでしょうこの話?先生はSEEなんでしょう?」――。
SEEとは、静がSNSで使用していたアカウント名だった。静はSEEの名で日々の気になることをSNSにつづっていたのだ。当時その文章に共感した海斗は、SEEなら自分の不安を取り除いてくれるかもしれないと思ってDMを送った。「びっくりしたよ。SEEからとんでもなく長い返信が来た時は」――人間は結局、なりたい自分にしかならない。全ては自分の意志次第。何かする瞬間瞬間で理想の自分に近づけるような選択をしていけば、きっとなりたい自分になれる――「この言葉に俺、救われたんだ」。その後、SEE=静は突然ネット上から姿を消したが、担任教師として現れた静のスマホにSEEのステッカーが貼ってあるのを見た海斗は、静がSEEであることにすぐに気付いたのだという。「SEEだったらまた何とかしてくれんじゃないかって思って…今日、先生を誘ったんだ」と、静に助けを求める海斗。その時、静のスマホに、浦見から着信があり…。
学校では、森口が真紀を呼び出し、海斗の退学手続きを押し進めようとしていた。森口に言われるまま、真紀が退学を受け入れようとする…矢先、浦見から連絡をもらった静が海斗と共に駆け込んで来て、「お母さん、本当に七海くんが人を殴ったと思っているんですか?」――。「海斗はそういう人間なんです」と答える真紀に、静は「いい加減にしてください!」。父親は父親、海斗は海斗。暴力行為の習慣性は遺伝しないし、そういったものを形成するのは後天的なもの…「もし海斗くんがそうなのであれば…それはあなたの責任でもあります!」。誰にだって過ちはあるし、過ちを犯しても人は頑張れば変わることができる。しかし、それを周囲が認めなければ、人の変化は止まってしまう…「あなたが認めなければ海斗くんはこの先、つぶれてしまいますよ!」。静はさらに海斗に向かって、「あなたもあなたよ!自分の思いは口にしないとなかなか伝わらないの!ちゃんとお母さんと向き合いなさい!」。すると海斗は「俺は田沢を殴ってない!母さんが嫌だと思うことはしない…俺は自分のなりたい自分になれる…そう信じて頑張ってきたんだ…だから…俺を信じてほしい!!」。その思いが、真紀に届き――。
一方、2年10組の教室では、海斗のことを悪く言うみんなに、
田沢が真実を話す気になったのは、体育館に監視カメラがあることを浦見がチラつかせたからだった。「カメラの映像データを見れば、どっちの証言が正しかったのか一発で分かる」と。しかし、実際は体育館に監視カメラは存在しない…。浦見は静に「カマをかけただけ」とおどけてみせる。そんな2人の会話を聞いていた森口が、浦見に詰め寄り――「監視カメラの位置も詳しそうですし…もしかしてあの貼り紙の犯人…浦見先生、あなたですか?」。静は驚いて――。