STORY

#05
2025.05.10
ツラい時は、逃げ出してもいいの?

(しずか)(広瀬アリス)を“人殺し”と中傷するビラを貼ったのは浦見(うらみ)(渡辺翔太)!?森口(もりぐち)(伊藤淳史)にあらぬ疑いをかけられた浦見は「何で私がそんなことを?」と真っ向から否定。森口への嫌悪感をますます強める浦見と居酒屋でサシ飲みをする静は、近くのテーブルで聖羅(せいら)(岡崎紗絵)が彼氏にこっぴどくフラれているところを目撃…!
翌日、聖羅は朝から上の空。ただでさえプライベート重視で学校や生徒のことに無関心なのに、彼氏にフラれたショックで仕事にますます身が入らなくなってしまった様子…。心配して慰めようとする浦見に、静は「こういう時は放っておくのが一番です」と忠告。そんな静のもとに彩華(いろは)(豊嶋花)がうれしそうにやって来る。陽奈(ひな)(清乃あさ姫)から友達としてカラオケに誘われたらしいのだ。「先生のおかげだよ。ありがとう!」と感謝されてしまった静は、意外にも教師としてのモチベーションが上がってしまう自分に気がついて…。

ところが、静のクラスの生徒がまたも退学の危機に!?静の生徒を含む2年生11人に、1年前の喫煙疑惑が浮上…!去年学園を退学になった生徒たちが、嫌がらせ目的で証拠写真を学校にバラまいたのだ。当時は11人全員が1年8組だっため、担任教師だった聖羅に責任がのしかかるが…。
11人のうち6人は、の『強制退学者リスト』に載っている退学者候補。森口がその6人だけを排除しようとたくらむ中、教師としての自信もモチベーションもない聖羅は「ツラいことから逃げちゃダメなの?人生好き勝手に生きて何がいけないの?」と言い訳ばかりで問題から目をそらし、6人を退学の危機に立たせてしまう…。

これ以上退学者を出したくない静は、差別的な処置を取ろうとする学園から生徒たちを守れるか…!?

以下、ネタバレを含みます。

降って湧いた喫煙騒動に学園中が揺れる中、静、浦見、京子(きょうこ)(木村佳乃)の校長派3人は、森口の根回しによって蚊帳の外に追いやられてしまう。校長の京子は、喫煙疑惑のある生徒11人の中に保護者会会長の娘・小早川(こばやかわ)麻衣(まい)(松本麗世)も含まれていることから、森口が全員を退学にすることはないはずだと予測。退学させられるのは森口の『強制退学者リスト』に載っている6人で、麻衣を含む残りの5人は退学させない可能性が高い…。そんな差別が許されるはずもないが、今は森口の出方をうかがうしかなく…。

静と浦見は、相変わらず元気のない聖羅を居酒屋に誘い、失恋の愚痴を聞いてあげる。するとそこに「浦見くん」――現れたのは、鈴木(すずき)愛花(あいか)(志田未来)。誰だか分からない静に、「俺が呼んだ」と浦見。愛花は静の前に2年10組の担任を務めていて、新学年になって早々に体調を崩して休職していた。実は以前、静は『夜回り』の時にゲームセンターで愛花と顔を合わせていたのだが…全く記憶にない静。
久しぶりに愛花の顔を見た聖羅は「愛花先生~」と甘えるような声で助けを求め、「教師として毎日ツラい思いをして…彼氏にフラれて…」と泣きすがる。すると愛花は「本当にツラくなったら…いつでも逃げ出していいと思うんだよね。1度しかないあなたの人生なんだから好きにしなきゃ…ね?」。その言葉に静はハッとする。それはかつて静がSEEとして、いじめを受けている相談者に贈った言葉と全く同じだったからだ――。

喫煙疑惑のかかった生徒11人は、大口(おおぐち)(野呂佳代)の聞き取りに対し、はじめは喫煙を否定したものの、退学した元生徒2人から森口が証拠動画を手に入れると、一転、11人全員が喫煙を認めた…。森口は京子たちの予想に反して11人全員に自主退学を勧告すると宣言。明日、保護者会役員と話し合いの場を持ち、説明するという。…が、実際は『強制退学者リスト』に載っている6人だけを退学させようと目論んでいて…。聖羅は森口から、『明日の話し合いが終わるまで校長派の3人に接触するな』とクギを刺されてしまう…。

聖羅から情報を聞き出すことができなくなった静と浦見は、なすすべがなく、居酒屋でくだを巻く。ここのところ浦見としょっちゅう飲んでいることに気付いた静は、「なんか誤解されちゃいますね?私と飲みに来るくらいなら、ちゃんと彼女つくってその人と飲みに行ってください」。すると浦見は「彼女いるよ。これから来るよ」。その直後、愛花が現れ…。なんと浦見と愛花は付き合っていた!急に居たたまれない気持ちになった静が「私、帰りますね」と席を立とうとしたその時、京子から着信が。森口の計画を知った京子から真相を聞いた静と浦見は「同じ罪を犯した生徒に差をつけるなんて絶対にあり得ない!」と憤慨。愛花に頼んで聖羅を呼び出してもらうと、「保護者会役員たちに森口のたくらみを暴露してほしい」とお願いする。しかし聖羅は「私にそんなことできるわけないでしょう」と拒否。そもそも教師としてのモチベーションがない聖羅は、愛花に言われた『ツラかったらいつでも逃げ出していい』という言葉を言い訳にして、「私の人生…生徒のためにあるわけじゃない。私のことは放っておいてください」と言い残して去ってしまう…。
聖羅を説得できなかった浦見は諦めようとするが…。「もう一度だけ聖羅先生を説得してもいいですか?」と静。「昔、私が犯した…後悔を思い出したんです」――その夜、静は懸命に説教の文面を考え――。

翌朝、静は登校してきた聖羅を呼び止め、化学準備室で対峙する。「教師の私にまで説教するなんて…」とウンザリ顔の聖羅に、静は開口一番、「モチベーションがないとか何とか言ってる人が偉そうに教師面しないで」と言い放ち、「今回、森口先生がやろうとしていることは教育者として、最も愚かな行為です!」。愚かな行為とは、すなわち…差別だ。聖羅は「そんなの私に言われても…私だってやりたくてやってるわけじゃない」と反論。「昨日も言ったけど、ツラいから逃げたいの!自分の人生を好き勝手生きて何がいけないの!?」と開き直る聖羅に、静は「ツラかったら逃げてもいいっていうのはね…精一杯、何かにぶつかっていって、それでもうまくいかない人のための言葉。…あなたのように、楽になりたいから現実から目を背けるためにある言葉じゃないの!」。そして――「お願い1度だけでいいの!1度だけ本気で全力で向き合ってみてください!」。教師は人と人とが向き合う仕事…だから本気でぶつからないと本気の答えは返ってこない。もちろん、思い通りにいかないこともある。けれども、静自身がそうだったように――「信じられないほどのモチベーションが生まれたりすることもあるの!!」――。聖羅の心に必死に訴えかける静だが…。その言葉をかき消すように大口が現れ、聖羅は化学準備室を連れ出されてしまう…。

森口が用意したホテルの会場に保護者会役員が集まり、話し合いが始まる。聖羅は新庄(しんじょう)(小手伸也)に促され、保護者の前で調査結果を報告。「今回のこの写真ですが…」。そう言いかけて、口ごもる聖羅。保護者たちはザワつき、新庄は何事かと身を乗り出す…。すると聖羅は「…この写真の一件の前に保護者会の皆様にお伝えしたいことがあります!この学校はある一部の生徒をやめさせようとしています」――。聖羅は保護者たちに『強制退学者リスト』の存在を明かし、学校が差別的な処置をしようとしていることを暴露!新庄が「やめなさい!」と止めるのも聞かず、「この学校はおかしいんです!保護者会の皆さん!こんなこと許されていいはずありません!」と訴える――が、会長である麻衣の母(小沢真珠)は「私たちそれ知ってるの」。なんと、保護者会役員は全員、森口の計画にすでに賛同していたのだった。聖羅は言葉を失ってしまう…。
そんなことが起こっているとは知る由もなく、学校で報告を待つ静。一方その頃、愛花は暗い部屋で一人、「麗美静は人殺し…そうだよね?…花恋…」とつぶやいていた。その目線の先には花恋の遺影が飾ってあり――。

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