一緒に連続殺人【ホルスの目殺人事件】の取材をする中で、惹かれ合い、一夜を共にした浩暉(志尊淳)と万琴(岸井ゆきの)。しかし、翌朝、万琴が目覚めるとすでに浩暉の姿はなく…。
万琴が目覚める前にアパートに帰っていた浩暉。押し入れから小さな缶ケースを探し出し、缶の中に入っていた小学校の時の名札を手にする。その裏には…。
万琴は取材現場で浩暉と顔を合わせるが、浩暉に何事もなかったかのような態度をとられてしまう。浩暉の真意が分からない万琴はモヤモヤして…。
そんな浩暉と万琴の前に、事件の犯人と思しき人物の目撃者が現れる。4件目の犯行現場近くに住む男子中学生が、事件のあった4月4日の夜に現場付近で黒いレインコートを着た怪しい男を見たというのだ。フードをかぶっていたため顔は見えなかったらしいが、男子中学生は浩暉を指して…!?犯人逮捕につながるかもしれない有力な情報を手に入れた万琴はさっそく番組で取り上げようとする。一方、「信ぴょう性がない」と証言を一蹴する浩暉のもとに、刑事・正聖(白洲迅)と大和田(猫背椿)がやって来る。事件当日、現場付近を通った車のドライブレコーダーから、『黒いレインコート男』が映っていたであろうデータが消えていることを問い詰める正聖。浩暉が消したのか、それとも…?
次の犯行が起こるであろう5月5日が近づく中、連続殺人犯を何としても止めたい万琴は、これまでに起きた4件の犯行現場に、ある法則が隠されていることに気付き…。5件目の犯行現場が浮かび上がる中、2人の恋にも新たな展開が…!そして、謎めいた浩暉の過去が明らかに!!
【ホルスの目殺人事件】の過去4件の犯行現場を線で結ぶと菱形が現れ、『ホルスの目』のように見える。そこから、万琴は次に起こるであろう5件目の犯行現場を予測。後輩・木下(小林虎之介)を連れて現地へ向かうと、同じ予測を立てていた浩暉と鉢合わせ。みんなでご飯を食べることになり、万琴は親友・向葵(森田望智)を呼び出す。店に現れた向葵は、何も聞けない万琴に代わって浩暉を質問攻め。出身は?家族は?年齢は?結婚は…?浩暉は「何これ、インタビュー?」と苦笑しつつ、東京出身で30歳、家族はいないと答える。と、そこに、向葵から連絡をもらっていた正聖が合流…!正聖は浩暉への敵意をむき出しで、万琴との関係を問いただしたり、浩暉の知らない万琴の高校時代のエピソードをひけらかす。『桜の花びらを3枚同時につかむと幸せになれる』――高校時代の万琴はよくそう言って、桜の花びらをつかもうとしていたという。それを聞いた浩暉は驚いて…。
翌日、喫茶店でスイーツを食べる野田(田中哲司)のもとに大和田が現れ、「相変わらず好きねえ」。どうやら2人は旧知の仲のようで…。野田はすぐに席を立つと、去り際に新聞記事のコピーを置いていく。その見出しには『女性弁護士惨殺』とあり…。
5件目の犯行が起こるかもしれない場所で道行く人に注意喚起をする万琴に、杉元という男が近寄って来る。杉元は一昨日にこの辺りで不審な男を見かけ、動画で撮影したと言う。万琴が見せてもらおうとすると、杉元は「いくらですか?」と謝礼を要求。万琴が断ると、居合わせた浩暉が「僕、払いますよ」と、杉元に謝礼を渡し、動画を入手する。万琴は「報道倫理に反する」と非難するが、「使えるものは金でも色でも使えばいい」と浩暉。いけそうな相手に好かれるように動くのは処世術で、『たいしたことじゃない』と言う浩暉に、万琴はショックで…。
一方、警察署では、大和田が正聖に捜査資料を見せながら、「設楽浩暉、本当に怪しいかもしれないわよ!」。資料には、事件名『立川市女性弁護士、刺殺事件』、被害者『設楽久美子(43才)』とある。久美子(紺野まひる)は浩暉の母親で、第一発見者が浩暉だと知った正聖は衝撃を受ける。そんな大和田と正聖の話を、弁当を届けに来た唯月(望月歩)がこっそり聞いていて…。
自宅リビングで殺害された久美子の死因は、全身をナイフで13箇所も刺されたことによる失血死。遺体の目にコンタクトレンズこそ入っていないものの、現場の状況は【ホルスの目殺人事件】と酷似。逮捕されたのは久美子の夫で浩暉の父・設楽貫路――浩暉と万琴をつけ回していた男(萩原聖人)だ。貫路は懲役10年の実刑判決を受けて服役していたが、昨年12月に出所。その後の足取りはつかめておらず、貫路の出所後に【ホルスの目殺人事件】が始まっていることからも、再犯の可能性がある。合同捜査本部は貫路の居場所を突き止めるべく動き出すが…。実は当時、警察が最初に被疑者としてマークしていたのは、貫路ではなく息子・浩暉の方だったらしく…。
万琴は正聖から、浩暉には関わるなと忠告される。まるで浩暉のことを【ホルスの目殺人事件】の犯人とでも言いたげな正聖に、動揺する万琴…。
その頃、浩暉は杉元から手に入れた動画を確認。そこに映っていたのは、貫路で――。
万琴は5件目の犯行を何としても防ごうと、注意喚起のチラシを作り、犯行が起こるかもしれない場所を配って歩く。その背後から、ナイフを持った男が襲い掛かる――!と、現れた浩暉が間一髪で男を路地に引きずり込み、奪ったナイフを向ける。フードを剥ぐと、若い坊主頭の男だった。男は浩暉の殺気に逃げ出し…。
自分の身に危険が迫っていたことを知る由もない万琴。地道にチラシ配りをしていると、杉元が現れる。実は杉元が浩暉に動画を提供した時、浩暉はルールを無視できない万琴のことを、こんなふうに言ったという――「僕にはできない。あんな、真面目で真っすぐなやり方…。いつか犯人を止められるのは彼女みたいな人だと思います」――。
浩暉の本音を知った万琴は居ても立ってもいられなくなり、浩暉のもとへと駆け出して――「私、好きだよ、浩暉のこと」――あふれる想いを浩暉に伝える。たとえ自分が見ている部分が全部じゃなかったとしても、「いま目の前にいる浩暉が好き」。そんな万琴を、思わず抱きしめる浩暉――。
その頃、野田は一人、路地裏で貫路と対峙していた…。そして正聖は、浩暉の母・久美子の事件の鑑識担当だった松岡(浜野謙太)に、本当は浩暉が犯人で、貫路は息子をかばっただけなのではないかと聞く。松岡は言う。通報した浩暉のTシャツの血は、乾いていた、と。遺体を発見してすぐに通報すれば、乾くはずないのだが――。