STORY

#8殺人鬼、再び2025.06.04

「あなたは、犯人ではないんですか?」――。連続殺人【ホルスの目殺人事件】を取材する万琴(岸井ゆきの)は、自身が書いた記事によって犯人だと疑われる浩暉(志尊淳)に独占インタビューを敢行。浩暉は、母・久美子(紺野まひる)との思い出を語り、自分と父・貫路(萩原聖人)への疑惑に答えて…。

浩暉へのインタビューを事前に知らされていなかったプロデューサーの沙樹(西田尚美)は、許可なくインタビューを行った万琴を追及。放送に大反対するが、総合演出の野田(田中哲司)が「これは放送する。俺が決めた」と強引に押し切ってしまう…。
数日後、予定通り浩暉のインタビュー映像が放送される。万琴は、浩暉本人に真実を語らせることで浩暉を守るつもりだったのだが、放送直後から、SNSに『こいつ、黒だろ』『母親殺したのも、本当はこいつ?』などと浩暉を犯人扱いする声が殺到。
動揺した万琴は、ホルスの特集班から外されてしまう。浩暉は、そんな万琴を見かねて、約束していた旅行に連れ出す。行き先は、万琴の地元で…。

一方、一連のホルスと大和田(猫背椿)殺害が浩暉の仕業だと疑う向葵(森田望智)正聖(白洲迅)は、病院の防犯カメラに映る浩暉の姿を確認。浩暉は黒い帽子にメガネ姿で、何日にもわたって病院を訪れていた。院内Wi-Fi経由でデータを盗みだし、被害者を選んでいるのか…。

そんな中、次なる犯行が起こるであろう6月6日、取材に向かった万琴は、現場で衝撃の光景を目撃する――!

以下、ネタバレを含みます。

浩暉は、万琴の「あなたが殺したんじゃないですか?」という問いに「違います」と答える。父・貫路についても「あの人は、犯人じゃないです」と言う。みくるについて聞けなかった自分を、心のどこかで責めてしまう万琴。

インタビューを見た向葵は万琴の家を訪れ、2人は仲直り。向葵から「私ね、正聖が好きなの」と打ち明けられ、寝耳に水の万琴は驚愕。向こうに恋愛感情がないことを分かっている向葵は、思いを伝えることが怖いと言う。「思いが通じればステキなことだけど、通じないと加害性がある気がして」。相手に一方的に気持ちをぶつけることは、自分を襲ったストーカーと同じ…そう思って踏み出せないという向葵…。

一方、古びたアパートへ向かう浩暉は、そこから出て来た野田と鉢合わせる。「父とどういう関係ですか?」と尋ねる浩暉。「敵ではない」と答えて去って行く野田。そのアパートの一室には、貫路とみくるがいて…。貫路は浩暉とみくるに、「大丈夫だから。2人のためなら何でもやるよ」――。

そんな浩暉に病院の防犯カメラの画像を突きつけ、「東京総合中央病院に何しに行ってた?」と迫る正聖。浩暉は、ホルスの被害者全員に健康診断の受診歴があったという情報を得たため、次なる犯行を防ぐために注意喚起をしていたと答える。大和田が殺された日は病院に行っていないと言う浩暉。確かにカメラには映っておらず、正聖はそれ以上追及できなくなってしまう…。

病院のパソコンで何かを調べる向葵は、ある事実を発見。すぐに浩暉を呼び出し、「今後一切、万琴に近づかないでください」と忠告。しかし浩暉はニヤッと笑い、「万琴も幸せだね。それが…向葵ちゃんの本当の顔なら」と、向葵の耳元で何かをささやく。途端に向葵は硬直して…。
向葵が病院で調べていたのは、人間ドックの受診者リスト。そこには、万琴の名があり――。

そんなある日、万琴は沙樹から突然、グルメ班への異動を命じられてしまう。疑惑の渦中にある浩暉と親密なため、冷静な判断ができないというのが理由だった。万琴は抵抗するものの、ホルスの特集班から外されてしまう…。

事件を追わなくてもいい状況に少しホッとしつつも複雑な思いを抱える万琴。そんな万琴を、浩暉が旅行に誘う。2人は万琴の地元に出かけ、万琴が子どもの頃によく遊んでいた寺を訪れる。「私ね、ここで女の子助けたことあるんだよ」。23年前、7歳だった万琴は、独りぼっちで泣いている少女に、『桜の花びらを3枚一緒にキャッチできるといいことがある』と声をかけ、一緒に遊んだという。そこへ少女の兄が探しに来て…。実は、その兄は浩暉で、妹はみくるだったのだ。あの日、浩暉は珍しく母とみくると3人で桜を見に出かけ、幸せな気分だった。しかし、母はその場にみくるを置き去りにし、幼い浩暉はひとり必死で探していたのだ…。「万琴が救ってくれた。あの頃から万琴は変わってない。いつも計算もなく、誰かのために動いてる。万琴は万琴らしくいてほしい」という浩暉。“被害者やご遺族のために、真実を見つけたい”――初心を思い出す万琴。

万琴は、同期の社会部記者・三橋(名村辰)からの情報で、沙樹が報道局に戻ろうと水面下で動いていることを知る。沙樹がホルスの特集に乗り気じゃなかったのは、報道のメンツをつぶしてしまうことを恐れていたからだった。「バレちゃったか…」と沙樹。かつては女性初の社会部長かと期待されながら、結婚・出産を機に報道から離れざるを得なくなった沙樹にとって、情報番組は愛情こそあれど、やりたい仕事ではなかったのだ。「これも私なの。万琴には見えてなかった私の本当の顔」。今後、“浩暉の本当の顔”を見ることになるかもしれない、と覚悟を問う沙樹に、万琴はホルスの担当に戻してほしいと頼み、認めてもらう。

一方、大和田の敵を討ちたい唯月(望月歩)は、浩暉を疑い、どさくさに紛れて髪の毛を抜いて警察に持ち込む。しかし、正聖には相手にされず…。その後、野田と貫路を偶然見かけ、貫路の後をつけるが、尾行に気付いた貫路にナイフを突きつけられ、「探偵ごっこですか?」と脅されてしまう――。

そして、6月6日――。万琴と浩暉は、次なる犯行が予測される場所で夕方から張り込みを開始。しかし、夜11時前になっても犯人らしき人物は現れない。突然、浩暉は万琴を抱き寄せ、「万琴、愛してる」。なかなか「好き」と言ってもらえず粘っていた万琴だが、いきなりの愛の告白に戸惑う。浩暉は笑って「俺、ちょっとトイレ。そこ動くなよ!絶対」とどこかへ走っていく…。

しばらくして、浩暉が戻って来ないことに胸騒ぎを覚える万琴は、GPSアプリで浩暉の位置を確認。GPSが指したのは、近くの民家…。急いで民家に向かう万琴。インターホンを押すが、返事はない。万琴はカメラを回し、鍵の開いた玄関から家の中に入る。階段を上り、灯りが漏れる一室のドアを開ける…と、目の前に衝撃の光景が…!そこには、血まみれの女性と、血のついたナイフを手に立っているレインコート姿の男。
振り返る男――それは浩暉だった…!
声を失う万琴に、浩暉が悲しそうな笑顔を向ける――「動くなって言ったのに」――。

相関図はこちら