ディレクター日記
〜ファーブル(2006/7/26放送)〜

 「心に残る家」でファーブルの家を取り上げるのは2回目です。前回の放送は、生まれた家。そして、今回は念願の研究所付きマイホームです。彼の研究のメインは昆虫ですが、研究所に入ってみると、草花やら貝やら化石やら、それ以外の標本が棚一面に飾られていました。また、それが100年前のものとは思えないほど、きちんと整理がなされていて、驚きです。でも一番美しいと思ったのは、昆虫の標本です。体長数センチの小さな虫が、薬品で処理されて、つい最近まで生きていたのではないかというくらいの生き生きとした標本。撮影に当たって、いろいろな標本を見せて頂きましたが、どれもファーブルの手によって、細かく分類され、きちんと名前が記されていました。いつもこうして、主のいなくなった部屋を訪ねるのですが、いなくなったあとでもその人の面影が濃密に残るというのは、不思議なことですね。
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