コペルニクス  『「地動説」を完成させた家』  2002/3/6放送

   
   
バルト海に面した、ポーランド最北の地・フロンボルク。
一年のうちで冬が一番長い、この北の大地に、空を仰ぐように建つ
赤レンガの建物があります。
その名は、「コペルニクスの塔」。
16世紀に「地動説」を唱えた天文学者・コペルニクスが、30年の半生を暮らし
研究を続けた場所です。


   
 

「地球は 太陽の周りを動いている」
この論文が出版されたのは
1543年、70歳のときのこと。
   
 

病床に伏していた彼はベッドの上で印刷されたばかりの本を手にし、そのまま息を引き取ったと言われています。
   
コペルニクスは、物静かで控えめな、心優しい人でした。
教会の領土を管理する役人として働いていたのですが
医者でもあった彼は、仕事の合間に、診察もしていました。
貧しい人たちからは、薬代すら受け取らないで。


   
寒い夜には、お気に入りの暖めたワインを片手に
輝く星たちを観察したコペルニクス。


   
美しいものすべてを包み込んでいる空
それ以上に美しいものがあるだろうか


 

彼は今、その空で、さらなる宇宙を見つめているのかもしれません。


コペルニクス  『「地動説」を完成させた家』  2002/3/6放送

 

♪『悲愴〜アダージョ カンタービレ』
作曲:ベートーヴェン 歌:Susan Osborn


次回(3月13日)の『心に残る家』は
フェラガモ『再出発を誓った宮殿』
をお送りします。お楽しみに。


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