高村 智恵子  『故郷の空にある生家』

(2002/11/13放送)


   
みちのくの秋に色づく、福島県安達町。
その高く遥かな空の下、
「智恵子抄」で知られる高村光太郎の妻、智恵子の生家があります。


   
大きな造り酒屋を営む家に生まれ、あたたかい家族と、
やさしい自然に囲まれて少女時代を過ごした、智恵子。


   
   
女子大を卒業後、慣れない都会に残り、画家への道をひたむきに歩いた彼女にとって、ここは、目を閉じればいつもそこにある、安らぎのふるさとでした。


  東京には空がない。
そう呟いた智恵子・・・。


   
 
 
結婚後、創作に苦しみ、心を病んでしまっても、
彼女のなかには、この美しい空が澄み渡っていました。


 
 
そして、命を失ってもなお輝き続けたのです。
一途な愛を傾けた夫・光太郎の、行く手を照らす、光となって。


 
 
「あなたはまだゐる 其処にゐる あなたは万物となって 私に満ちる」
                          (智恵子抄「亡き人に」より)


高村 智恵子  『故郷の空にある生家』

(2002/11/13放送)


 

今回の放送のBGM♪
 曲 Tento Saber <知りたい>
 唄 Nuno Gurerreiro


次回(11月20日)の『心に残る家』は
藤田 嗣治 『フランス人として暮らした家』
をお送りします。お楽しみに。