ヘンリー・フォード  『労働者の心を忘れなかった家』

(2002/12/18放送)


   
アメリカ・デトロイトの西にある町・ディアボーン。
その郊外に建つ、ひときわ大きな邸宅。
「自動車産業の父」と呼ばれた、ヘンリー フォードの家です。


   
51歳で建てたこの家は、貧しい開拓農民の子として生まれた彼が、やっと手にした、「夢」の住まいでした。


   
彼は胸のポケットにいつも、小さなノートを入れていたといいます。


 
クリスマスに、オレンジをひとつもらえるだけで幸せだった、少年時代。
中学を出てすぐに工員となり、働きながら、ガソリンエンジンの車を開発した日々・・・。


 
 
ひたむきに生きてきた過去があって、今の自分がいる。
そのことを決して忘れないよう、ひとつひとつの思い出を、書き記していたのです。


   
 
 
普段は質素な服を着て、妻の素朴な手料理を食べ、ぜいたくを好まなかった彼は、生涯をかけ、誰もが手の届く、安くて快適な車を送り続けました。


   
ひとりの労働者、ヘンリー フォードとして。
夢を持ち、働く人々のために。


ヘンリー・フォード  『労働者の心を忘れなかった家』

(2002/12/18放送)

今回の放送のBGM♪
 曲  Every Now And Then
 唄  Art Garfunkel
次回(2003年1月15日)の『心に残る家』は
ポール・セザンヌ 『晩年を生きたアトリエ』をお送りします。お楽しみに。