■向井去来 『師・芭蕉と心通わせた「落柿舎(らくししゃ)」』

(2004/11/24放送)
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秋色に染まる京都・嵯峨。
元禄二年の年の瀬に、
「奥の細道」の旅を終えた松尾芭蕉は、この地を訪れました。
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ひっそりと佇む茅葺き屋根の建物で、
芭蕉を待っていたのは、彼の弟子・向井去来。
入り口横の土壁に掛けられた笠と蓑は、
去来がここにいることが外から見て判るようにと、
目印にしたものです。
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ある秋の日に、たわわに実った柿の実が、
一晩で全て落ちてしまった事にちなみ、
「落柿舎」と名づけられたこの家で質素に暮らす去来。
謙虚で一切の私欲を持たない心清らかな弟子との、
久しぶりの再会を芭蕉は喜びました。
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月の光のもと、師弟は眠ることも忘れ、
やがて暁の空が二人を照らすまで、しみじみと語り明かします。
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のちに芭蕉は、ここでの思い出を書物に記しました。
「我貧賤をわすれて清閑に楽」(「嵯峨日記」より)
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さすらいの旅に生きた芭蕉にとって、
去来と過ごした「落柿舎」での日々は、
彼の心の拠り所だったのかもしれません。
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■向井去来 『師・芭蕉と心通わせた「落柿舎(らくししゃ)」』

(2004/11/24放送)
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今回の放送のBGM♪
「 I can’t Make You Love Me」唄 George Michael
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次回(12月1日)の『心に残る家』は 大河内傳次郎『永遠の住処「大河内山荘」』をお送りします。 お楽しみに。 |
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