劉備玄徳  『生涯を終えた白帝城』

(2005/5/11放送)


中国、四川省。
長江を臨む石段を登ると出会う白帝城は、
三国志の英雄・劉備玄徳の、最期の時を見つめました。


   
西暦222年の「夷陵の戦い」。
蜀の皇帝だった劉備は、
義弟の契りを交わした関羽の弔い合戦で、呉の軍と激突します。


   
しかし、部下の反対を押し切って出征したあげく、
大敗を喫してしまった劉備は、
この白帝城に、命からがら落ち延びたのでした。


   
彼の胸に去来するもの…。
それは、関羽と、もう一人の義弟・張飛の無念。
彼らの仇をとることも叶わず、
自責の念に苛まれ、重い病に臥してしまった劉備。


   
病床で彼は、軍師の諸葛孔明に伝えました。
「自分亡き後は思うがままに生きよ」


   
どんな時も、我が身を案じてくれる主の心を知り、
孔明は涙を堪えることができません。


   
223年、4月24日。
この地で永遠の眠りについた劉備玄徳。
人を愛し仁義を重んじた、63年の生涯でした。


劉備玄徳  『生涯を終えた白帝城』

(2005/5/11放送)

今回の放送のBGM♪
「美麗的大草原〜instrumental version〜」演奏 イラナ
次回(5月18日)の『心に残る家』は
源義経『心身を鍛えぬいた鞍馬寺』
をお送りします。
お楽しみに。