■東山魁夷 静穏の家
(2006/9/20放送)

都心を離れた、市川の住宅街の一角に
日本画家・東山魁夷がこよなく愛した家があります。

東山魁夷は人生のなかで、数えきれない旅をしました。

その旅から得たもの―。

遥かな山並みを臨む峰。
果てしない道が続く草原。
荒々しい波が打ち寄せる海原。

そして生命の尊さを、瞳にやきつけました。

その美しい記憶の全てを
魁夷はこの家で形にしていったのです。
風景への限りない愛を、絵筆にのせて。

製作のよき相談相手は妻・すみ。
ただ一人の家族である妻にだけ、
彼は悩みや弱音を打ち明けたといいます。

東山魁夷は90年の生涯を閉じるまで、
ここで暮らしました。
妻と二人、静かに流れる時間とともに。
■東山魁夷 静穏の家
(2006/9/20放送)