ディレクター日記
 〜西太后 (2005/4/13放送)〜

アヘン戦争などで崩壊した庭園を、絶大な権力を握った西太后が海軍の軍費を流用して修復復元しました。
そのせいで財政がかたむき、清王朝滅亡の一因になったとも言われています。
しかし、中国には軌道を逸脱するにも、スケールの大きな人たちがいるものです。
楊貴妃と酒池肉林に耽って、国を傾けた皇帝、万里の長城という何千キロもの塀をめぐらした秦の始皇帝、そして軍費を流用してまで自分好みの庭園につぎ込んだ西太后・・・けれどそれが「世界文化遺産」として、中国が世界に誇る歴史的建造物となっています。
革命や内戦がありながら、それを壊さなかったところも、大陸の懐の深さでしょうか。
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