ディレクター日記〜川上貞奴(2005/12/14放送)〜 名古屋の中心地、栄から車でおよそ10分。ひときわ目立つ洋館が、川上貞奴が暮らした家です。川上貞奴と聞いてもピンとこない方も多いと思いますが、日本の女優第一号。今からつい100年前のことですが、当時は歌舞伎や能と同様、舞台はすべて男性が演じていて、女性役は女形がつとめていました。ところが、彼女の最初の夫である川上音二郎が一座を連れてアメリカ公演にいった際、女形が亡くなってしまい、急遽代役をつとめたのが貞奴だったのです。それが日本の女優の始まりでした。そんな偶然が無ければ、今でも舞台やテレビは男の役者だけのものだったのでしょうか。それはちょっとつまりませんね。 |