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“音楽の都”ウィーン。この町の中心に、
「ピアノの詩人」ショパンが足繁く通った教会があります。
「聖シュテファン大聖堂」
この時、ショパンは夢破れ、失意の底にありました。
ポーランド人である彼が、異国で受けた差別と偏見。
演奏会を開くことも叶わず、発表の場さえ閉ざされていました。
傷ついたショパンの魂を受け止めた場所、それがこの聖堂でした。
クリスマスの夜、ショパンは思い出していました。
家族で囲んだ温かな食卓、故郷の雪景色。
彼は自らの内に眠る祖国への愛を知ったのです。
ショパンは誓います。
祖国のため音楽に邁進(まいしん)しよう。
ポーランドの名を世界に伝えるために―。
まもなくショパンは“芸術の都”パリへと向かいます。
自らの新しい天地を求めて。
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