■ 天龍寺   4月27日放送

 嵐山の天龍寺は、室町幕府を開いた足利尊氏が後醍醐天皇を弔うために創建した禅寺です。その当時に作られた庭園は国の史跡・特別名勝に指定されています。5月12日まで特別公開されている法塔の天井には現代日本画家の大家・加山又造によって描かれた雲竜図が睨みを利かせています。

■ 宝厳院(ほうごんいん)

 塔頭(境内にある付属寺院)の宝厳院は5月31日までの特別公開。応仁の乱で消失して以来、独自の境内を持たなかったこの寺は今年3月、かつて他の寺院があった当地に移転してきました。江戸時代に名庭として知られた獅子吼の庭は140年ぶりの一般公開です。また、本尊の聖観音菩薩像は申し込めば特別に拝観する事ができます。



嵐山の天龍寺は室町時代に将軍・足利尊氏が創建した禅寺です。
その広大な庭園は国の史跡に指定されています。


特別公開されている法堂にましますのは、
未だに目の輝きを放つ足利尊氏の像。

また、天井では雨を呼び、
寺を火の手から守る巨大な龍が睨みを利かせています。
今年の春、この地に境内を移した塔頭の宝厳院。
ここには、江戸時代まで別のお寺があり、
そのころ造られた庭園が140年ぶりに公開されています。



獅子が吼えるかに見える大岩など、
自然の妙を活かした庭園は遥かな時の流れを刻み付けています。

庭園を臨む本堂では、
安住の地を得た観音様が縋る者を静けさへと導きます。
聞こえるのはただ、新緑の囁きだけです。


 天竜寺は人気エリアの嵐山にあるだけに、天気のいい日は大変な人出。撮影日はあいにくの天気だったので、それほどでもなかったのですが、禅寺本来の趣を味わうなら拝観開始の8時30分〜10時頃までがオススメです。
 また、駐車場の入り口のほうが渡月橋や駅に近く目立つため、参拝客は大概、そちらから境内に入っていくようですが、すぐ北側に本来の総門があり、こちらのほうがはるかに味わいがあるので、お見逃しなく。

 一方、宝厳院は広々とした庭園がつい時間の過ぎるのを忘れさせてくれるようです。嵐山を借景に自然の大岩や松、そして築山や垣根が配され、古びと新しさが調和しています。
 天龍寺も宝厳院も5月初旬ごろまではツツジで境内が染まります。


「Above the Clouds」
演奏/作曲:KEVIN KERN