■ 白沙村荘   5月4日放送

 大正から昭和にかけて、数多くの名作を残した日本画家・橋本関雪。大正5年、関雪画伯は、見渡す限り水田の広がるこの地に自宅を建て、生涯にわたって庭を造り続けました。それが白沙村荘です。

 現在、白沙村荘は、橋本関雪記念館として公開され、3000坪以上に及ぶ広大な敷地に、画室や茶室などの建物が静かな佇まいを見せています。庭園奥の陳列室では橋本関雪のスケッチや下絵、遺品を始め、長年にわたり関雪がコレクションした古美術品などが展示されています。



銀閣寺のほど近く、静かな佇まいを見せる白沙村荘(はくさそんそう)。
ここは、日本画家・橋本関雪が、およそ30年の歳月をかけて作り上げた邸宅です。
当時、一面の水田だったこの土地に、土を盛り、木を植え、石を運んで完成させました。


広い庭園の中央に立つのは画室・存古楼(そんころう)です。
数多くの名作が生まれたこの部屋には、ほどよい自然の光が入り、
窓越しに見る風景の美しさが心にしみます。


新緑に映える優雅な茶室・倭翠亭(いすいてい)。
庭だけでなく、園内の建物も関雪自身の設計によるもので、際立った芸術性と強い個性が伝わってきます。
山深い風情にあふれる庭を歩けば、
いたるところで目にする石造美術。
らかんぶつ羅漢仏の豊かな表情に、心が和みます。


したたる緑を眺めながら、いただく季節の味。
絵を描くように造られた庭で過ごす至福のひとときです。


 白沙村荘の前は多くの観光客で賑わう哲学の道。 銀閣寺へ向かう人の流れが絶えることがありませんが、一歩、園内に足を入れれば、そこは隔絶された世界。まるで野の山のような風情にあふれ、心が落ち着きます。

 園内の石造美術品はどれも名品とのことですが、中でもギャラリー手前にある竹林に置かれた羅漢仏の、人間味あふれる表情がとてもいいので、じっくり鑑賞してみてください。

 白沙村荘の隣にある「レストラン ノアノア」、ここの建物も関雪が建てたものです。オープンエアのテラス席に座り、美味しいコーヒーで散策の疲れを癒すのもオススメです。


「Avalon」
演奏/作曲:Celtic Legend