■ 天授庵(てんじゅあん)   10月19日放送

南禅寺の三門のすぐ脇に位置する天授庵は1336年の建立。南禅寺の開山大明国師を祀る開山堂で山内でも格式の高い寺院です。応仁の乱で荒廃し1602年に細川幽斎によって再建され現在に至っています。
取り上げた二つの庭の他に求己庭という小庭もあり、いずれもがこれから紅葉の季節を迎えます。京都の紅葉の名所はどこも観光客で混雑しますが天授庵は静かに鑑賞出来そうです。




南禅寺の山門脇に佇む室町時代創建の天授庵。
表情の異なる2つの庭が訪れる人を迎えます。



本堂前の石畳の連なりが印象的な枯れ山水の庭。


簡潔で凝縮されたこの庭は見る人を深い瞑想の世界へといざない、人生の意味を暗示するかのようにモミジの色が変わってゆきます。



書院前には池を中心とした緑豊かな庭。
陽を浴びて木々がきらめき見る人を優しく包み込みます。
緊張と解放。心の動きが心地よい天授庵です。


南禅寺そばの「奥丹」は江戸時代から続く湯豆腐の老舗。
これからの季節、湯豆腐は京を代表する味の一つです。


昔ながらの製法を守り、職人の手で作られる豆腐は少し固めで味も昔のまま。



湯豆腐から立ち上る湯気の向こうに秋が見えます。



天授庵には非公開の長谷川等伯の襖絵があります。
32面もの大作で禅に関する逸話を題材にした等伯の絵は他に類がなく貴重な物。
撮影したかったのですが、丁重に「遠慮させて頂く」とお返事をいただきました。
実物を見せて頂いているだけに本当に残念です。
京都の寺院にはこうした非公開の物が数多くありますが、その多くは観光客のマナーに閉口してのもの。寺を訪れる時は気をつけたいものです。

奥丹は清水にも店があり豆の展示館も併設されています。
この2店の豆腐を1人の職人さんが作っています。
出来上がった豆腐を粉々にして重しを乗せて更に水分を取って味を濃縮します。
豆腐作りは奥が深いものだと驚きました。
職人さんが「まだ完璧な豆腐を作れません」という言葉が印象的でした。


COMPTINE D'UN AUTRE ÉTÉ:L'APRÈS-MIDI
(“AMELIEアメリ”より 邦題「ある午後のかぞえ詩」)
作曲・演奏:YANN TIERSEN