■ 大将軍八神社(だいしょうぐんはちじんじゃ)
  10月26日放送


大将軍八神社は北野天満宮の南にある、京都でも有数の古社です。社伝によれば、平安京遷都の際、桓武天皇が都の守護神として奈良の春日から勧請してきたとされ、以来、京に侵入しようとする悪邪神を封じてきました。
大将軍とは陰陽道で方位をつかさどる星神のことです。大将軍は東西南北の四方を三年毎に移り、その宿る方位を犯すと災いが起こるとされたため、古来より非常に怖れられてきました。この信仰は今日も続き、建築・移動・転宅などにおいて方位の厄災から守護する神として信仰されています。
また、境内の方徳殿に納められている神像は、平安中期から鎌倉時代にかけて造られたもので、うち79躯が昭和47年に国の重要文化財に指定されました。江戸時代の天球儀や暦など、天文関係の資料も数多く所蔵し、例年5月と11月、それぞれ5日間だけ公開されています。




京都の西北に鎮座する大将軍八神社。
平安京造営の際、御所を守るためにここに創建されました。



大将軍とは陰陽道で方位をつかさどる星神のこと。
この神が宿る方位を犯すと災いが起こるとされ、古くから恐れられてきました。


その信仰は連綿と受け継がれ、今なお暮らしに根付いていますが、地鎮祭の鎮物を、風水に基づく陰陽道で祈祷するのは、この大将軍八神社だけです。



森羅万象の謎を解き、自然の叡智を読み取る陰陽道。
社に残る資料が、その奥深さを伝えます


方徳殿に納められた大将軍神像。星曼荼羅を構成していたといわれ、これもまた陰陽道の一端を示すものです。
国の重要文化財に指定された79躯が一堂に並ぶ様に、星を尊ぶ心を感じます。


1200年の時を経て尚、都の暮らしに生き続ける大将軍八神社です。



近年注目されている陰陽道の一端に触れることができる神社です。
陰陽の陰は「女性・夜・月・冬・地」、陽は「男性・昼・太陽・夏・天」などを指し、お互いに相反するものを表現したものだそうです。つまり、万物はこの「陰陽」に分けられ、お互いを補い、両方が揃って初めて完全となることを表しているのだとか・・・
平安末期から鎌倉初期にかけては最も盛んに行われていたそうで、源頼朝は大将軍の方位が西方に当るからというので京都進攻を止めたとも伝えられています。
取材を通して、陰陽道の奥深さを実感しました。
 北極星・北斗七星を表していると思われる神像は、方徳殿という3階建ての収蔵庫に納められています。今年の夏改修されたばかりで、その保存設備は素晴らしいものです。
天文関係の資料もめずらしいものが多いので、あわせてご覧になることをオススメします。


「 awakening 」
作曲:Rolf Lovland
演奏:Secret Garden