■ 玉雲寺(ぎょくうんじ)   11月16日放送

丹波山地の中ほどに位置する丹波町は静かな高原の町で冷え込む秋の朝には霧が煙ります。その山中に丹波一の名瀑といわれる琴滝があります。落差40メートルのこの滝はその流れが琴の弦に見立てられたのが名の由来とか。琴滝から程近いところに建つ玉雲寺は、かつては滝つぼのすぐ脇に建っていたという禅寺です。室町中期に名僧によって創建され、末寺127ヶ寺を数えたといいます。
戦国時代に明智光秀の丹波攻略で焼かれたこの寺は、今では紅葉に彩られたひなびた風情が漂います。その光秀によって再建されたという本堂には釈迦如来が祀られています。また、本堂の裏手にある蔵のような開山堂には、珍しい椅子に座った聖徳太子の像が祭られています。そして、古色を帯びた楼門では朽ちかけた十六羅漢が時の重みをにじませています。




墨絵さながらに霧煙る丹波の秋。
その霧を生むのは、丹波一と謳われる琴滝(ことだき)のしぶきです。
糸を引くその流れを里人は琴の弦に見立てて愛でたのです。



苔むす石段に紅葉が映える玉雲寺は、創建六百年の時の重みが境内に蹲っているような静けさです。


明智光秀が再建したという本堂には、里人の祈りを聞き届けてきた釈迦如来像が、今も大切に祀られています。


開山堂には、椅子に座った珍しい姿の聖徳太子像。

そして、古色を帯びた楼門の上には、風雪に耐えてきた十六羅漢。


音も無く、枯れ行く秋の玉雲寺です。


丹波は和牛、松茸、栗、黒豆など名産品の宝庫。街道沿いにはお土産物屋やドライブインがあり京都市内から一足伸ばすには絶好の土地です。
琴滝は京都の滝では抜群のロケーションにあり、森の中に忽然と現れます。水は落ちるというより、岩肌を伝い落ちるようで琴滝の名にふさわしい感じがします。
玉雲寺はその滝へ向かう途中にあります。まず、参道の石段下に立って、紅葉を仰ぐその佇まいに一驚。そして、石段を登りつめると山門の風情に嘆息。こんなところにこんなお寺がと思わせる、小さいけれど趣きある古寺です。
拝観は自由にできますが、住職が不在のときは山門が閉じられてしますので、事前に連絡しておいたほうが無難でしょう。


「 あの日の記憶 」
作曲/演奏:西村由紀江