■ 東寺 (とうじ)   1月4日放送

1月7日から特別公開される、東寺の五重塔と観智院は数多い東寺の寺宝の中でも大変価値の高いものです。五重塔は国宝で、日本最大のもの。落雷や戦災で何度も焼かれ、現在のものは1644年の建築です。57メートルの塔の内部(一階部分)には「心柱」といわれる中心の柱を背に如来像やさまざまな仏様が安置され、その保存状態のよさから来る豪華絢爛さは、見るものを圧倒します。
同じく特別公開される観智院は、国宝の客殿をはじめ、五大の庭・宮本武蔵筆の「鷲の図」など様々な見どころがあります。特に宮本武蔵の「鷲の図」は、鋭い筆運びと多くを描かない簡潔さで、剣豪の描いた名画の評価を得ている傑作です。




一月七日から特別公開される東寺。




国宝・五十塔の内部に秘められた、絢爛たる仏教世界をまのあたりにする時、京都が守り伝えてきたものの奥深さに圧倒されます。



中心となる心柱を背に、東西南北を向いた四体の如来像。
拝まれたり愛でられたりすることもなく、数百年の時を五重塔の中で過ごしたお姿。



そして、それを取り囲む極彩色の壁画。
扉が開かれ凍りついた時間が一気に溶け出して、王朝時代の鮮やかな夢をみせてくれます。



同じく特別公開される勧智院。
国宝の客殿は、主に皇族関係の客人を迎えるのに用いられた美しい建物です。


優れた芸術家でもあった宮本武蔵が描いた「鷹の図」が彼の剣のように鋭い筆の運びを見せてくれます。


凍てつく京都の冬に、秘められた寺宝の数々に触れる。
受け継がれ、語り継がれる長い東寺の歴史に、心がふるえます。


五重塔の内部には、正直驚きました。本当に絢爛たる世界が昔と変わらず展開しているのです。仏像の輝き、壁画の色、さまざまな装飾の保存状態の良さは、驚異に値します。
しかし撮影するに当たっては、柱を囲んでぐるりと回る構造になっている等非常に複雑な構造のため、照明・カメラ・特殊機材のセッティングには細心の注意を払い、とにかく慎重に行いました。うっかり触ってしまったぶつけてしまったでは済みません。もちろんどのお寺でも同じですが、暗い・狭い・ぐるり仏像壁画に取り囲まれている・・・など、危険な状況は超A級。スタッフもそれを感じていたらしく、最小限の会話でパキパキと作業していき、思ったよりはるかに短い時間で撮影が済みました。
さすが「京都心の都へ」専属(?)チーム!となんだか身内ながら感心してしまいました。・・・で、浮かび上がったのが御覧頂いたとおりのすごい世界!特別公開の前に、独占で見てしまった夢のような空間は、今でも目に焼きついています。皆さんもできれば是非ご覧ください!!


「 THE INNER CHILD 」
演奏者:MIKE OLDFIELD