■ 高台寺(こうだいじ)   2月1日放送
高台寺は豊臣秀吉の妻ねね(出家して高台院と名乗る)の意思を酌んで徳川家康ら諸大名の尽力で慶長10年に建てられた禅寺です。秀吉の死後、ねねはこの寺で亡き夫の菩提を弔い、余生を過ごしました。
寺には天下人・秀吉とねねゆかりの品が数多く残されています。茶室・傘亭、時雨亭は伏見より移されたという数寄を凝らした茶室。霊屋には秀吉、ねねの像が並び、その祭壇は高台寺蒔絵と呼ばれる漆工芸で装飾が施されています。
高台寺は秀吉が愛用したという蒔絵の調度品が豊富に所蔵しています。高台寺付属の掌美術館ではそれらの宝物を展示しています。漆塗りに金粉をあしらった豪奢な品々は天下人の威勢をうかがわせます。  また、高台寺にはもう2軒、遺芳庵、鬼瓦席という茶席があります。いずれも江戸時代遊女・吉野太夫を身請けした豪商・灰屋紹益が建てたものです。




東山の高台寺は豊臣秀吉、縁の禅寺です。
彼を生涯支え続けた妻、高台院こと、ねねはこの寺で夫を弔いながら余生を永らえました。


2人の亡き後、建てられた霊屋(おたまや)では、秀吉とねねの像がひっそりと寄り添い、遥か古に思いを馳せているかのようです。



その祭壇を彩るのは、高台寺まきえ蒔絵と呼ばれる、漆に金粉を施した伝統工芸です。


高台寺の美術館には、蒔絵の数々が並びます。



なかでも、目を奪うのは、和歌などの文(ふみ)を収めた歌書箪笥。
一つ一つの引き出しに、秋の草花を華麗にあしらった桃山時代の逸品です。


また、特別公開されている2つの茶室は、江戸時代の遊女、吉野太夫を身請けした商人が数寄を凝らしたもの。 


そちこちに風流が満ち溢れる高台寺です。


ご存知の方も多いと思いますが、高台寺は茶湯を好んだ秀吉ゆかりの寺だけに、茶会に力を入れています。特に冬の間に開かれる「夜咄(よばなし)」と呼ばれる冬の夜長を楽しむ茶会はまた、一入です。ほの暗い茶席で、灯火に揺れる軸を愛でたり、また深々と音もないひと時を過ごすのもまた一興。合わせてライトアップされた境内を参拝できるのも捨てがたい味わいです(ただし防寒対策は念入りに)。
3月16日までの金、土、日に行われているので興味のある方はどうぞ。前日の16時までに申し込めば誰でも参加できます。(夕食つき1人4500円)
詳しくは高台寺にお問い合わせください。


「 The Bird 」
作曲者:Joji Hirota
演奏者:Joji Hirota