■ 観音寺(かんのんじ)   2月8日放送
観音寺は、京都市の南の京田辺市にある古刹です。土地に「奈良三里、京七里」という言葉が伝わるように、奈良の文化圏に属する土地柄です。平安京が作られる前に、この地には「普賢教法寺(ふげんきょうぼうじ)」という大寺院がありました。数々の堂宇が作られて様々な寺宝を持ち、繁栄を極めていたといいます。その後、たびたび戦火に見舞われたりするうち次第に衰退し、その殆どが失われてしまいましたが、そのなかでたった一つ残ったのが、この寺に伝わる「国宝・十一面観世音菩薩像」です。観音寺は、この寺宝を守るという役割をもつ素朴で小さなお寺です。菩薩像は、漆を重ね塗りしていく方法で作り上げられた傑作で、その落ち着いたたたずまいとやさしげな表情が非常に印象的です。ほぼ人間の背丈ほどの大きさで、重さも人間一人分ぐらいと親しみやすく、平安以前の菩薩像の魅力を十二分に今に伝えているすばらしい国宝です。




京都市の南・京田辺は、奈良時代から栄えた土地です。 ここに1300年の昔に開かれ、今も当時の貴重な寺宝を守り続けている小さなお寺があります。


観音寺という名前のお寺です。
今は小さな本堂があるだけですが、昔は「普賢教法寺(ふげんきょうぼうじ)」という大寺院で、多くの建物と仏像があったといいます。



観音寺という名前は、観音様を守るお寺、という意味です。 国宝・十一面観世音菩薩像は、栄華を誇った当時の名残をたったひとつだけ残す貴重なもの。


木を彫るのではなく、木の上に漆を塗り重ねて作られ、少年のような生々しい顔立ちや、優美な指先など、天平彫刻特有の緊張感が見事です。

度重なる大火災を免れた、傷もないお姿に心打たれます。




華やかな昔を偲ぶものはこの菩薩像しかない。
過ぎし夢を見つつ深い眠りについたかのような境内。
しかし静けさの中に身を置けば、人が集い栄えたところのさざめきが、どこからか聞こえてくるような気がします。



撮影の日は不思議な天気で、朝は寒いが晴天・それ以降は曇り・雪・霙・晴れが繰り返しやってきて、映像上のつながりを考えると頭が痛いところなのですが、肉眼ではものすごく綺麗で、しばし仕事を忘れて見とれてしまいました。山すその小寺に霙が降り注ぎ、舞台演出のように上に下に風で舞ったと思うと、今度はサーっと日が差す・・・誰かがどこかで操作してねーかコリャ!と思うほど、見事な冬の表情でした。そんなに言うならテレビで見せろ!と言われてしまいそうですが、残念ながら雪・霙は一瞬。放送的にはあくまで晴れのときを狙って撮った分を使いました。ごめんなさい・・・スタッフが極寒に耐えつつ撮影したご褒美ということでご勘弁を!
美しいのは情景だけではなく、国宝の十一面観世音菩薩像のお姿も、圧巻!こんな小さなお寺にこんな美しい仏像があるなんて、本当に驚きです。決してわかりやすい場所にあるわけではありませんが、撮影中も多くの参拝客が菩薩のお顔を見に訪れていました。
参道の桜、その両脇の畑の菜の花・・・今の季節のストイックな雰囲気も素敵ですが、きっと春も驚くほど美しいでしょう。そのときには是非言ってみてはいかが?


「 TREASURE 」
作曲者:Steve Raiman
演奏者:Steve Raiman