■ 浄瑠璃寺 (じょうるりじ)7月12日放送

平安時代に創建された浄瑠璃寺は当時の浄土信仰がそのまま形となった古寺です。
境内の中心にある池の東側に立つのは三重塔。そこには当方浄土にあって現世の苦しみを取り除くとされる薬師如来が祀られています。
池を挟み、西側は西方浄土のある彼岸。そこには国宝・本堂があり、9体の阿弥陀如来が安置されています。人間は現世の功徳によって、じょうぼん上品、ちゅうぼん中品、げぼん下品に分けられ、さらにそれぞれがじょうしょう上生、ちゅうしょう中生、げしょう下生の計9つの往生の段階があると考えられていました。そこで、すべての人が往生できるようにと9体の阿弥陀が祀られたのです。
夏には奥ゆかしい桔梗の花が点々と境内を飾り、その美しさは極楽浄土を思わせます。




山ひとつ向こうは奈良の都という当尾(とのお)。
そこは道すがら石仏が出迎える物静かな山里です。



遥か1千年もの昔に創建された浄瑠璃寺は
古くから里人の信仰を集めてきました。



浄瑠璃とは東にある浄土のこと。
境内の東側には平安時代に建てられた三重塔がそびえ、現世の苦しみを救うという薬師如来が祀られています。


池を挟んで東側に立つ国宝の本堂は間口30メートルにも及ぶ雄大な造り。


堂内にはわが国で唯一、残っているという九体阿弥陀如来(くたいあみだにょらい)が祀られています。
そこに込められているのは、西方浄土(さいほうじょうど)へ向かうすべての人が阿弥陀様に救われるようにという切なる願い。
安らかなその顔にどれだけの人が救われたことでしょう。



奥ゆかしくひっそりと花開く桔梗。
その姿にも心洗われる思いがします。



浄瑠璃寺の創建にはいくつかの伝えがありますが、記録に残っているのは1047年とのこと。一説に、この地の領主が領民の幸せを願って9体の阿弥陀像を作ったとのことです。
堂内に入ってその姿を拝むといにしえの人々の心のありようを身近に感じることができます。
病の特効薬もなく、作物は天候に左右されやすく、戦はいつ起こるかわからない。自らの力ではどうすることもできない大きな力に対して、人々は畏れをもって生きていたのではないでしょうか?
そんな時代に生きた人々の死後の世界の極楽往生を願う気持ちは、今の世に生きる私たちには計り知れないものがあります。
石仏巡りを楽しみ、静かな境内に佇むと、桔梗の花もいつもと違って見えるのではないでしょうか。寺の参道も茶店がぽつぽつとあり、ひなびた風情で趣があります。
ちなみに、三重塔内は毎月8日と正月3が日、春秋の彼岸の中日だけの公開ですので、お気をつけください。


「 今は今 昔を想うなつかしの 」
作曲者:イルカ
演奏者:イルカ あんべ光俊