■ 大原の散策 8月2日放送

山里らしいのどかな風景が広がる大原の里。三千院の北にある「勝林院(しょうりんいん)」は、1013年(長和2年)、声明(しょうみょう)の道場として創建されました。本尊の「阿弥陀如来像」は、1186年(文治2年)、法然上人を招いて浄土教について論議をした『大原問答』の時、正論ならば自ら光を放って証拠を示したといわれ、「証拠阿弥陀」と称されています。
 「勝林院」の僧坊として建てられた「実光院(じっこういん)」。かつては、寂光院に近い大原陵の地にありましたが、1919年(大正8年)、現在の場所に移転しました。落ち着いた風情の庭園(池泉回遊式庭園)は、俗世間と仏の浄土に見立て、江戸時代の後期に造られたもの。また、客殿で公開されている「十羅刹女(じゅうらせつにょ)」は、鎌倉時代に造られた十体の珍しい女性の鬼です。




京の北の外れ、癒しの里・『大原』は、今、遅い初夏を迎えています。


緑深き山あいにひっそりと佇む『勝林院(しょうりんいん)』。
九百年以上前、お経に抑揚をつけて唱える声明(しょうみょう)の道場として創建されました。



総ひのき造りの本堂に施された繊細な彫刻。


静寂に満ちた堂内では、かつて、大勢の僧侶が集い、白熱した仏教の議論が行われていました。
その時、ふたりの僧侶が向かいあった「問答台(もんどうだい)」は、当時を偲ばせます。


勝林院(しょうりんいん)の僧たちの宿泊所として建てられた『実光院(じっこういん)』

開放的で明るい庭園は、江戸時代に造られたもの。
落ち着いた風情に心休まるひとときです。



客殿に居並ぶ「十羅刹女(じゅうらせつにょ)」。
仏様を守ったとされる十体の珍しい女性の鬼です。




欄間(らんま)には、狩野派の画家による「三十六詩仙(しせん)画像」。

静けさに暑さを忘れる大原です。



「しば漬け」が有名な大原は、今、その原料である紫蘇が赤紫の色を増しています。地元の方によると、大原は夏の間は意外に参拝客が少なく、穴場だとのこと。「勝林院」も「実光院」も都会の喧騒を忘れさせてくれるこの時期おすすめのお寺です。「勝林院」の堂内は、本当に静寂に満ちていて、大の字で横になりたい気分になります。素敵な庭園のある「実光院」は、初秋から春にかけて咲く「不断桜」が有名ですが、この時期もまた違った趣きがあります。


「 ORION 」
作曲者:神山純一
演奏者:神山純一