■ 祇王寺・滝口寺
(ぎおうじ・たきぐちでら) 
8月16日放送


「祇王寺」「滝口寺」は、共に嵯峨野小倉山のふもとにある、平家物語と深い関係のある小さな寺。「祇王寺」は平清盛の寵愛を受けた白拍子(踊り子)「祇王」と仏御前が余生を送った地に建てられています。深く苔むした静かな寺には、清盛と、祇王が失恋のきっかけとなった清盛の愛妾の像も祀られています。「滝口寺」は祇王寺と同じ「平家物語」に登場する滝口入道の像と、彼との恋に破れた女官・横笛の像を祀っています。境内は古の都人を癒した青竹のさざめきに包まれています。 。




竹林のさざめく「嵯峨野」には悲しい恋の物語を残す「小寺」があります。
深緑に満ちた「祇王寺(ぎおうじ)」は、平清盛に愛された女性、「祇王」ゆかりの尼寺。


清盛の“心変わり”で愛を失った「祇王」が世をはかなみ、余生を過ごしたのがこの寺。
深く苔むした庭の静けさに恋に破れ世を捨てた、「祇王」の愁いが偲ばれます。



「滝口寺(たきぐちでら)」も、また悲恋の物語を残す寺。

平家の家臣「斉藤滝口」は、身分の違う女官「横笛(よこぶえ)」との実らぬ恋にこの地で出家したのです。


境内を包む竹林は、そんな古(いにしえ)の恋を知る由も無く静かに風にそよいでいます。



「先斗町(ぽんとちょう)駿河屋」の名物は、その青竹を用いた夏の菓子。



寒天入りの「こしあん」を今年生まれた青竹に流し込んで作る「竹露(ちくろ)」。
ヒンヤリとした口当たりと、竹の香(か)の清々しさがしばし暑さを忘れさせます。



「祇王寺」も「滝口寺」も、悲しい恋の物語が伝えられている寺で、歩いて1分程というお隣同士。
どちらの寺も、きっと寂しいところだろうな…と予想しつつ取材に伺ったのですが、これがなんとまあ深緑が綺麗な、涼しげでで落ち着く場所! 実際は蝉の鳴き声も高く、かなり暑かったのですが、そこを涼しく感じさせてしまう「京都」という土地と「青竹」の生命力のすごさを感じてしまいました。
訪れる人も、さほど多いわけではなく、気分が癒されること間違いありません!「祇王」も「滝口入道」も、この竹に癒されていたんだろうな〜と思うと感慨もひとしおです。祇王寺は「かえで」の木が多く植えられていて、秋が来れば紅葉は見もののはずです。


「 THE DREAM OF TALIESIN 」
作曲者:JEFF JOHNSON,BRIAN DUNNING
演奏者:JEFF JOHNSON,BRIAN DUNNING