■ 東 寺 (とうじ) 9月27日放送

真言宗総本山の東寺、正式には教王護国寺といいます。平安京を守る目的で創建されましたが、その後、弘法大師空海に下賜され、空海の伝えた密教の根本道場となりました。
ここには空海が唐から持ち帰った真言七祖像をはじめ、数多くの寺宝が残されています。幾度か戦火を浴び、広い境内には創建当時の建物は残っていませんが、桃山時代に再建された国宝・金堂や五重塔などの堂宇が立ち並び、大勢の観光客で賑わいます。
「古都京都の文化財」のひとつとして、1994年ユネスコの世界遺産に登録されました。




平安京の面影を色濃くとどめる東寺は、弘法大師空海ゆかりの寺として、古くから、庶民の信仰を集めてきました。

 今も昔も、都の象徴・五重塔。
どれほど多くの旅人が見上げたことでしょう。


圧倒的な存在感あふれる金堂(こんどう)は、江戸時代に再建されたもの。
400年前の気風を今に伝えます。



今年は、若き日の空海が 密教を求めて唐に渡ってから1200年の節目にあたります。



この秋、鬼を従えた国宝の兜跋毘沙門天(とばつびしゃもんてん)など、唐から持ち帰った寺宝が、宝物館で特別公開されています。

中でも、空海が帰国の際、はなむけに授けられたこの法具は、1200年の時を経てなお、見る者の心をとらえます。


東寺からほど近い「東寺鳴海餅」。
6月に食べるお菓子・みな月を、一年中味わえるようにと作ったのが「抹茶いりみな月」です。
上品な風味が、旅の疲れを癒します。



弘法大師の教えと庶民の味。
悠久の歴史が彩る京の都です。



京都のシンボル的な存在、五重塔。およそ55メートルの木造塔で日本一の高さを誇っています。
創建当初の塔は落雷などで焼失、現存するものは5代目だとか。
空海は遣唐使に従い唐に渡り、密教を学んで帰国した際、唐から請来した聖教類や曼荼羅・修法に用いる道具類を全て東寺の宝蔵に納めました。これらの道具類は密教美術の基礎となり、後の信仰の対象や用具として優れた宝物が次々と生み出されたそうです。
東寺の宝物館は、毎年 春と秋の年2回、期間限定で公開されます。今年は空海が唐に渡ってから1200年の節目にあたるということで、唐から持ち帰ってきた寺宝を中心に展示・公開されています。
「東寺鳴海餅」は、東門(慶賀門)から歩いて3分ほどのところにあります。
「みな月」は、氷を形どって作られたのがそもそもの始まり。ひんやりとした食感があり、京都では6月に食べるこのお菓子を、一年中味わえるようにと抹茶を加えたものが「抹茶みな月」です。
もともとあっさりと滑らかな口溶けのみな月に、上品な抹茶の風味が自然に溶け込んで、程よい甘さが人気のようです。店内には茶席も用意されているので、東寺の広い境内を歩いたあと、一服するのにちょうどいいかも・・・。


「 The Forever Garden 」
作曲者:CHERYL GUNN
演奏者:CHERYL GUNN