■ 天龍寺 (てんりゅうじ)  12月20日放送

夢窓疎石を開山、足利尊氏を開基として建立された天龍寺は京都五山第1位の名刹。
造営の際、天龍寺船という貿易船を元に派遣しその利益で7年の歳月を費やして造営された。火災のため創建時の建造物は失ったが夢窓疎石作の庭園が残り疎石の遺徳をしのぶことができる。
王朝の伝統文化と禅宗文化が融け合い独特の美を持つ庭園は後の造園に大きな影響を与えた日本屈指の名園としてしられる。



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広沢の池の水が抜かれ嵯峨野は冬の装いに変わりました。


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移り行く季節の中に佇む京都5山第1位の名刹 天龍寺。
足利尊氏が後醍醐天皇を弔うために創建された天龍寺は禅寺としての格式の高さを今に伝えています。


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方丈前の庭園は、名僧夢窓疎石の作。
「庭の価値は山水にではなく山水を見る心のもち方にある。」と説き、修行僧に心の浄化を求めた夢窓疎石。


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この庭は美しさを感じる素直な心が求められると同時に 心地よい安らぎを与えてくれます。

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枯れ山水の原形を造り、作庭家としても名高い疎石はこの庭で嵐山を背景として取り入れる「借景」の技法を生み出しました。


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名残の紅葉に名僧の心と技が重なる天龍寺です。


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下見の日、嵯峨野観光のメインだけあって天龍寺前の道はこの時期、土日は一方通行になり周囲の道も大混雑。勿論天龍寺も人の波。撮影は開門前の僅かな時間で行いましたが、おかげで静かな庭を堪能できました。
本来禅寺は心静かに参拝するものですから(楽しみ方は人それぞれですが)、観光シーズンにはそれなりの覚悟が必要かもしれません…

◇閑話その1
天龍寺は、僧侶から受付の女性まで皆さん丁寧です。無理なお願いもイヤな顔をせず聞いてくださいます。(駄目なものは勿論駄目なのですが)今まで取材したお寺の中でも印象に残るほどの丁寧さでした。 これも禅の教えのせいでしょうか?

◇閑話その2
天龍寺の北門を出た左手に美しい竹林を発見。竹林の撮影場所はいつも大河内山荘の裏手と決まっているのですがここは竹林の間を坂道が走っていて風情があります。天龍寺を拝観した人は又正面から帰りますが是非北門から出て竹林を堪能してください。


「 for Julia 」
作曲者:Sanjay Mishra
演奏者:Sanjay Mishra