■ 神護寺 (じんごじ)  2月14日放送

都の北西、清遊地として古くから知られる高雄。清滝川に架かる高雄橋を渡り、三百数十の石段を上った所に神護寺があります。
弘法大師が14年間この寺に住持し、真言密教の寺院として東寺とともに名高い。本尊の薬師如来像を始めとして、国宝級の寺宝が数多くあります。境内の西端にある地蔵院では、素焼きの皿を渓谷に投げて厄除けをする「かわらけ投げ」が楽しめます。



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北山杉に抱かれた山里、高雄(たかお)。

ゆるやかに流れる清滝川(きよたきがわ)を渡り、石段を上ると木立に囲まれた名刹・神護寺が見えてきます。


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弘法大師が真言密教の礎を築いた、静かな山寺。
その中心にある金堂の内部には、守護神である四天王像と十二神将像が祀られています。


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国宝の本尊・薬師如来は檜一本から彫られ、気品のある男性的な風格を漂わせています。


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寒空にそびえ立つ多宝塔では、知恵を授ける五大虚空蔵菩薩(こくうぞうぼさつ)が並び、女性的なふくよかさを醸し出しています。

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境内の奥にひっそりと佇む地蔵院。その庭園で行う「かわらけ投げ」は、素焼きの皿を渓谷に投げると厄を除けるといわれています。


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寺の麓、創業100年を越すもみぢ家の名物・牡丹鍋。
地元・洛北で獲れた猪の、滋味豊かな味わいと湯気のぬくもりに身も心も温まってゆく、至福のひとときです。


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高雄橋のたもとから石段が続き、山門にたどり着くまで足腰が鍛えられます(!)。ちょっと体力が必要ですが、境内はまさに国宝・重要文化財の宝庫です。金堂にある国宝の薬師如来は貞観時代彫刻の傑作で、男性的な迫力のあるお顔をしています。
また多宝塔の国宝・五大虚空蔵菩薩の方は女性的な顔立ちで、薬師如来とは対照的な姿をしています(拝観は事前に往復はがきで申込みが必要です)。山寺ですが、冬でも参拝に来られるお客さんが結構いて、それだけ価値のあるお寺だということを物語っています。
参拝の後は寺の麓の「もみぢ家別館」で牡丹鍋を頂けば、身も心も温まります。宿泊もできますので、是非お立ち寄り下さい。


「 青の島 」
作曲・演奏:ウォン・ウィン・ツァン/真砂秀朗