■ 宝塔寺 (ほうとうじ)  2月28日放送

宝塔寺は、かつて平安時代に藤原基経が創建した極楽寺という真言宗のお寺でした。
その後鎌倉時代に、当時の住職・良桂律師が日蓮の法孫・日像聖人と三日三晩の法論の末、律師が日像に帰依、日蓮宗に改宗されたと伝えられます。
応仁の乱や天文の法乱で堂宇のほとんどを消失しましたが、日銀上人によって再興され、宗門屈指の霊山として現代に至ります。寺域は広く、四脚門の総門や日蓮宗最古の本堂、京都市内最古の多宝塔など、国の重要文化財が数多くあります。



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伏見稲荷のほど近く、静かに佇む宝塔寺。
ゆるやかな石畳の先、丹塗りの仁王門が訪れる人を迎えます。


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平成の世に、およそ三百年ぶりに甦った天井画。
鮮やかな牡丹の花が、一面に咲き乱れています。


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歴史は古く、ここは平安時代に創建された真言宗のお寺でしたが、鎌倉末期には 日蓮宗へと改められました。
その当時の開祖・日像聖人(にちぞうしょうにん)は、今も境内の一角に眠ります。


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昨年 解体修理を終えたばかりの本堂。
その堂々たる姿は、広い境内の中でも ひときわ目をひきます。


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本堂脇には、室町時代に創建された京都市内最古の多宝塔。
優美な佇まいを今に伝えます。


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散策の疲れを癒す旬の味。
「清和荘」では、落ち着いた風情の中で京懐石をいただくことができます。
目にも鮮やかな春の味覚に、心浮き立つ京都の旅です。


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番組でもご紹介しましたが、仁王門の天井画は、平成13年1月におよそ300年ぶりに復元されたものです。天井画は、それまでお寺の関係者にも知られていませんでしたが、隣接する本堂の解体修理が行われ、門の彩色修復を前に調査したところ、花の模様があるのを確認したそうです。28センチ四方の正方形に区切られた天井には、約250個の牡丹の花やつぼみが描かれ、建立当初の鮮やかな姿がよみがえりました。
宝塔寺は観光寺院ではないので、残念ながら内部は非公開です。広い境内は七面山中腹にまで広がっているので、撮影前の下見では足が疲れました・・・
散策の疲れを癒すのは、やっぱり美味しいお料理! 料理旅館「清和荘」では、ヨモギ麩や土筆など、早春の食材を使った京懐石をいただくことができます。中でも、自家製のわらび餅はたいへん美味で、わらび餅だけを買い求めにいらっしゃるご近所の方もいるとか。薄荷がきいた味は、甘いものが苦手な男性スタッフにも大人気でした。


「 約束 」
作曲者:押尾コータロー
演奏者:押尾コータロー