■ 源光庵 (げんこうあん)
  6月5日放送


貞和2年(1346年)、臨済宗大本山大徳寺二代徹翁国師が隠居所として開いた寺で、元禄7年(1694年)に卍山道白禅師によって曹洞宗に改められた。
本堂の血天井は伏見桃山城の遺構で、戦で亡くなった人々の魂を供養している。また、堂内には美しい庭を鑑賞できる「悟りの窓」と名付けられた丸い窓と、「迷いの窓」という角窓がある。「悟りの窓」は円形に「禅と円通」の心を表わし、角窓は人間の一生を象徴して「生老病死四苦八苦」を表わしている。



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西賀茂の鷹ヶ峰、その麓に佇む源光庵は、
室町時代に創建された、侘びた風情の禅寺です。

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禅の心を伝えるのは、
静かな本堂に祀られる、気品ある姿のお釈迦さま。

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その本堂には、救いの道を求める人を誘う二つの窓が並びます。



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四つの角が人生の苦悩を象徴する「迷いの窓」。
その角が取れた円い窓は、悟りの境地を表す「悟りの窓」です。

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この窓から庭を眺めると、
心のありようで迷いは解けるという禅の教えが 心に沁みます。

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厳粛な気配漂う境内。
ゆったりとした時の流れに、次第に心が穏やかになります。

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門前に建つ「光悦茶家」では、庭園の新緑を愛でながら
お茶をいただくことができます。

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目にも美しい季節のお菓子が、旅の疲れを癒します。

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したたる緑と 初夏の香りに包まれる源光庵です。



かねてから本堂に並ぶ二つの窓を観てみたいと思っていたので、美しい新緑の季節を選んで、今回源光庵を紹介させていただくことにしました。
拝観が始まる前の静かな本堂。やはり心を奪われたのは、丸い「悟りの窓」です。白壁と円く切り取られた庭園の新緑、そのコントラストがとても綺麗で、ホントに心が落ち着いてくるんです。
撮影のためあまり時間がなく、残念ながら「悟り」の境地を感じることはできませんでしたが、日々の出来事に惑わされることが、なんて小さなことなんだろうと思えたことは確かです。これを突き詰めていけば、きっと「悟り」が開けるのかも・・・!?
秋の紅葉の季節は、また見事な美しさと伺いましたが、本堂の修復工事のため、今年9月27日からおよそ2年間拝観中止となるそうです。平成18年の秋が楽しみですね。


「 四季彩々 」
作曲者:坂本 勝
演奏者:インフィニックス