■ 六道珍皇寺 (ろくどうちんのうじ)
  10月9日放送


六道珍皇寺の六道とは、地獄界・餓鬼界・畜生界・修羅界・人間界・天上界という6つの世界のこと。死んだ人間が必ず行くべき世界で、どの世界に行くかは生前の行いの善悪によって決められるといわれています。その六道の分岐点にあたるのがこの寺の境内と伝えられ、お盆には先祖の精霊を迎えるため多くの参詣客が訪れます。
小野篁(おののたかむら)は小野小町の祖父にあたり、小倉百人一首に歌を残す歌人でもありました。その一方で「野狂(やきょう)」というあだ名を持つほど奇行が多く、閻魔様に仕えているという噂もあながちいい加減ではないようです。
本尊の薬師如来像(重要文化財)や小野篁が冥土へ通ったという井戸は、残念ながら普段は見ることができません。しかし10月30日(土)から11月8日(月)までの10日間、これらの寺宝が特別公開されます。平安時代から語り継がれる数々の謎に迫る、またとない機会です。



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明媚な街並みに悠久の歴史が溶け合う、京都・東山。

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その東に佇む六道珍皇寺は、
平安時代に建てられた静かな古寺です。

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かつては、名も無き人々の亡骸を納める
野辺送りの地として知られていました。

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本尊の薬師如来は、来世へと旅立つ多くの魂を
見送ってこられたのです。

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境内の閻魔堂に残る、もう一つの言い伝え。

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この寺を建てたという小野篁は、
嵯峨天皇に仕える有能な官僚でした。

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しかし夜になると冥土へ通い、閻魔様に仕えていたのです。

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冥土への入口とされた古井戸に、すべての謎が秘められています。

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この秋、特別公開される寺宝。
江戸時代に描かれた絵解き図は、
当時の死生観を語る貴重な遺芳です。

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いにしえの神秘に触れ、刹那の世を想う六道珍皇寺です。

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常に多くの観光客でにぎわう、東山界隈。しかし六道珍皇寺のご住職曰く、平安時代には亡くなった人々の亡骸が運ばれてくる、静かで悲しい地だったのだそうです。街中に佇む小さな寺ですがその歴史は奥深く、きっと数え切れないほど多くの悲しみを見守ってこられたんだろうと感じました。
小野篁は、多くの謎に包まれたとても魅力的な人物です。最近では陰陽師としておなじみの安倍清明と並び称され、若い人々にも人気があるそうです。等身大の立像はとてもリアルな表情で、1000年後の現代をも見通しているかのよう。もしかしたら、今も密かにあの井戸の中で生き続けているのかもしれません。


「 Carnickel and pocketboat 」
作曲者:tim story
演奏者:tim story/hans-joachim