■ 東山の紅葉 (ひがしやまのこうよう)
  12月4日放送


奈良時代に創建されて以来、信仰と遊山の象徴として多くの庶民に親しまれた清水寺。音羽山の自然に囲まれ世界遺産にも登録されている境内は、春は桜の名所として、そして秋は紅葉の名所として、観光客の目を楽しませます。
清閑寺は、平安時代(延暦21年)に紹継法師によって建てられました。当時は寺域も広く法華三昧堂や宝塔など多くの伽藍が建ち並んでいましたが、応仁の乱によって全て焼失し、本堂だけが再建されました。また「平家物語」ゆかりの寺としても知られ、高倉天皇に寵愛された小督局(こごおのつぼね)が、平清盛に追われ密かに身を寄せたのがこの寺だったと伝えられています。境内の一角には小督局の供養塔や宮内庁が管轄する高倉天皇の御陵もあり、当時の威勢が偲ばれます。
ご本尊の十一面千手観音は菅原道真が作ったと伝えられ、学問の神様として知られています。



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庶民信仰の寺として、都の暮らしに深く息づく清水寺。

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豊かな自然に抱かれた境内が、最も美しい時を迎えました。

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赤く染まった木々に浮かぶ、本堂の舞台。

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観音浄土と謳われる絵巻さながらの風情が、
訪れる者の心を魅了します。

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清水寺を西へ進み、知られざるもみじの名所へ。

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平安時代に建てられた清閑寺は
「平家物語」の舞台としても描かれた、平家ゆかりの寺です。

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かつては多くの伽藍を誇っていましたが
戦火によって失われ、本堂だけが残されています。

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寺の盛衰を見守った、本尊の十一面千手観音。

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その穏やかな面持ちを慕い、
多くの貴族たちが心を癒したといいます。

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華やかな記憶も、今は儚き夢の跡。

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静かな境内に、もみじのさざめきが響きます。

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清水寺の撮影は午前7時前から始めたのですが、紅葉シーズン真っ盛りということもあり、本堂はすでに大勢の観光客でにぎわっていました。舞台上の観光客が途切れる一瞬を狙い、奇跡的に静かな舞台を撮影することができました。たくさんの木々に囲まれた早朝の境内は、空気が澄んでいてとにかく気持ちがいい!清水寺を訪れる時には、ちょっと早起きしてみて下さい。
清閑寺は、かつて清水寺と並ぶほどの寺域を誇っていたそうです。鎮護国家の官寺だったため、檀家は医者や学者など国のために貢献した人々ばかりだったとか。つまり私のような庶民には縁のない、とても高貴なお寺だったんですね。小さな境内ですが庭園はきちんと手入れされていて、散策にはもってこいのスポットです。
御本尊の十一面千手観世音は基本的に非公開ですが、お寺の方に申し出ればいつでも拝観することができます。


「 Voca me 」
作曲者:ROBERT PRIZEMAN
演奏者:Christopher Robson