■ 白沙村荘(はくさそんそう)
  9月3日放送


1916年、京画壇で活躍していた日本画家・橋本関雪が制作の場として造った白沙村荘。
関雪が三十年の歳月をかけて完成した2千坪を越す広い日本庭園には、大画室・存古楼や夫人のために作った三つの茶室が点在し、関雪が集めた石塔、灯篭、石仏などの石造美術品が配置されています。又、展示室では関雪の作品が鑑賞できます。



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夏の日差しを遮る木陰が心地よい哲学の道。
その傍らに小さな門を構える白沙村荘。

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広大な敷地には小川が流れ、池を中心とした日本庭園が広がります。
この庭園は日本画家・橋本関雪が三十年にわたって作り続けた
彼のもう一つの作品です。

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妻のために作った茶室・問魚亭。
丸みを帯びた中国風の窓と、
キノコのような茅葺屋根は彼の好みを映しています。

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関雪が集めた鎌倉時代以前の
石塔や石仏が、庭園に豊かな表情を与えています。

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池のほとりに建つ、多くの作品が生まれた大画室、存古楼。

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四方から差し込む柔らかな光が
残された作品を優しく包みます。

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日本画と庭園に情熱を傾けた橋本関雪の
美意識が息づく白沙村荘です。

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銀閣寺に近いため、白沙村荘の前の道は夏だというのに観光客が絶えることがありません。
ところが白沙村荘に入ると表の喧騒が消え、静かな別世界がひろがります。
庭園の美しさは言うまでも無いのですが、石塔・石灯籠・石仏の数の多さは圧倒的で、庭の主のようです。広い庭園を進むと次から次へと現れて、ひとつひとつ鑑賞していると時がたつのを忘れてしまいます。何年も京都に通っていますが、これまであまり興味のなかった石造美術の魅力を再発見することとなりました。
注意:この時期、庭は蚊の天国です。特に茶室周辺は虫除けが必需品!


「 Pilote 」
作曲者:Simon Grean
演奏者:Bonobo