■ 泉涌寺(せんにゅうじ)
  10月1日放送


寺伝によれば、天長年間(824〜834)に空海が草庵を結んだのが起源といわれ、建保6年(1218)、月輪大師が泉涌寺と改め大伽藍を造営した。1242年、四条天皇の大葬が行われてから皇室の菩提寺となり、境内の最奥には非公開だが後水尾天皇以降、十三代にわたる天皇陵を含む二十五もの陵墓が並んでいる。我が国で唯一“御寺”と尊称されている。



03
東山連峰の南、月輪山の麓に佇む泉涌寺。
01
重要文化財の仏殿に祀られるのは、
運慶作の阿弥陀・釈迦・弥勒の三世仏。
それぞれが過去・現在・未来の人々を守るという珍しい本尊です。

02
05 泉涌寺は皇室の菩提寺として京都でも特別な格式を誇り、
尊敬を込めて“御寺”と呼ばれています。

06




05
十年ぶりに公開される霊明殿は天智天皇以来の
天皇の御位牌が安置される、最も重要な建物です。

06




07
05
又、海会堂には天皇・皇族の念持仏が祀られ、
皇室との深い繋がりが感じられます。

06
05
御所から移され、現在も皇室の参拝時には
休憩所として使われる御座所。

06
05
天皇が休まれる玉座の間は、飾り棚や
襖を飾る鳳凰の絵が雅な風情を醸し出します。

06




07
13
多くの皇族が眺めた御座所前の庭は、
間もなく紅葉で赤く染まります。


泉涌寺は真言宗でありながら伽藍は禅宗様式、本坊は御所風と様々な表情を見せてくれます。 特に御本尊の三世仏、阿弥陀・釈迦・弥勒が並ぶ形式は京の寺院では見たことのない珍しいものです。 鎌倉時代、泉涌寺が律宗を中心とした真言・天台・禅・浄土の四宗兼学の道場だった名残かもしれません。

10月29日から11月6日まで十年ぶりに公開される霊明殿には、歴代天皇の後尊牌が祀られています。本坊には天皇・皇族の後念持仏を納めた海会堂、御所から移築された御座所など、皇室との深いつながりを示すものが多く見られますので、興味のある方はこの機会に訪ねてみてはいかがでしょうか。



「 Sister of the Sun 」
作曲者:TROIKA
演奏者:TROIKA