■ 黄梅院(おうばいいん)
  10月22日放送


大徳寺の塔頭・黄梅院は春林宗俶禅師が1561年に創立した庵居黄梅庵が前身で、現在の本堂・唐門は豊臣秀吉、庫裏・表門は毛利元就の子、小早川隆景が創建したもの。禅宗寺院のものとしては現存する日本最古の庫裏。本堂の襖絵は雪舟の画風を継ぐ雲谷等顔の水墨画。破頭庭・作仏庭・直中庭の三つの庭など、禅寺の風情を堪能できる見所の多い塔頭です。




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紫野・大徳寺。
その塔頭・黄梅院がこの秋、特別公開されます。
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門を潜ると静けさに包まれた苔の庭。
苔と木々が生み出す清々しさに、心が洗われます。
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豊臣秀吉が建立した重要文化財の本堂。
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塵一つ無い堂内を雲谷等顔(うんこくとうがん)の水墨画が囲み、
禅寺ならではの空気が漂います。  

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本堂前の破頭庭は桂石が白砂と苔を直線で分け、
二つの岩があるだけの簡潔で明快な枯山水です。
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現在の独立した茶室が完成する以前の
古い様式を伝えています。

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茶室の前には、利休が六十六歳の時作った直中庭。
自然の姿を巧みに写した庭で、すすきが秋の風にゆらいでいます。

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黄梅院で驚くのは掃除の行き届いていること。広い建物の隅々まで綺麗に磨かれていて、気持ち良くて感動します。今まで撮影した京の寺の中でも一番だと思います。 禅宗では掃除も修行のうちとか。だとすると黄梅院のお坊さんは最も修行を積んでいるお坊さんということになるのかもしれません。境内の三つの庭はそれぞれ表情が違って美しいのですが、それとは別に、苔の前庭も見落とせません。公開期間が終わっても、苔庭は門から覗くことができますから、大徳寺に行かれた時には、是非訪ねてください。


「Sausalito」
作曲者:Bernward Koch
演奏者:Bernward Koch