■ 三時知恩寺(さんじちおんじ)
  1月21日放送


三時知恩寺は、室町時代に後光厳天皇の皇女が足利義満の娘、性仙禅尼を開山として創建し、知恩寺と号したのが起こり。代々皇女が入寺されたことから、入江御所とも呼ばれる門跡尼寺です。室町末期に、後柏原天皇は宮中で毎日6回行われる六時の念仏のうち、昼間の三時をこの寺で修するよう定めたことから、それ以後、寺号を三時知恩寺に改めたと伝えられています。



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室町時代に創建された、三時知恩寺。
歴代の皇女たちが入られた尼寺が、特別公開されています。

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寺の歴史を見守り続ける本尊の阿弥陀如来は、
ふくよかな微笑みを浮かべています。

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江戸中期に、天明の大火で焼け落ち再建された書院。
当時の画家・円山応挙が手がけた襖絵「漁図(えりぎょ)」には、
琵琶湖の魚獲りの様子が描かれています。

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その傍らには、皇女ゆかりの宝物が並べられています。

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美しい蒔絵が施された文箱(ふばこ)などを愛した皇女たち。

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戦乱の世を生き生きと描いた太平記絵巻を眺めながら、
彼女たちは外の世界へと思いを馳せていたのかも知れません。

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厳しい寒さが続く中、静寂に支配された蓬莱(ほうらい)の庭。

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その先には、狩野派の筆からなる一対の
花鳥図屏風(かちょうずびょうぶ)が 展示されています。
花に戯れる鳥の姿は、
春を待ちわびる皇女たちの願いを表しているかのよう…。

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優雅な風情が広がる、冬の三時知恩寺です。



京都の街中に溶け込んでいる三時知恩寺。門の反対側には同志社大学が建っています。 しかし、ひとたび中へ入ると、見どころ満載のお寺だと感じるはず…。 歴代皇女ゆかりの宝物はもちろん、番組内で紹介しきれなかった襖絵や屏風などが沢山あります。

室内をじっくりと拝観したら、庭園を眺めることをお勧めします。決して広くはありませんが、細部まで手入れが行き届いており、きっと癒されると思います。

三時知恩寺のように、市街地にあって小規模でも、拝観の価値が十分にあるお寺を今後も紹介していきたいと感じました。  


「Silhouettes」
作曲者:BREWER SPENCER
演奏者:BREWER SPENCER