■ 無字庵庭園(むじあんていえん)
  4月29日放送


吉田神社の社家として名高い鈴鹿家の所有であったものを、昭和18年に庭園家・重森三玲が譲り受けたのが無字庵です。吉田神社界隈で、格式ある社家建築の趣きを伝えるほぼ唯一の遺構で、文化財的価値はきわめて貴重なものです。国の登録文化財に指定される江戸期の建造物に、三玲が作った茶室や枯山水の庭が見事に調和して落ち着いた雰囲気に包まれています。重森三玲は東福寺方丈庭園、光明院庭園、松尾大社庭園など二百以上の作庭をした昭和を代表する庭園家。いけばな、茶道の研究家としても重要な業績を残しており、主な著作は、日本茶道史、日本庭園史図鑑、実測・日本の名園、枯山水などが知られています。



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吉田山の麓に建つ吉田神社。
その傍らに東福寺の方丈庭園などで知られる作庭家、
重森三玲(みれい)の旧宅・無字庵が佇みます。

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江戸時代に建てられた書院は、
吉田神社の神官の屋敷を譲り受けたものです。
部屋には江戸時代の空気が そのまま漂っているような気がします。

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書院前には枯山水の庭。
京都を中心として二百以上の作庭をした三玲が
自分のために作った石と苔の心地よい空間。

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山桜の花びらが庭を舞って、春の終わりを告げています。

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生花や茶道にも精通した三玲自らが設計した
茶室・好刻庵(こうこくあん)には、
大胆な色と形の波を描いた襖絵。
侘び茶の概念を覆すような斬新な意匠に驚かされます。

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昭和の名作庭家、重森三玲の美意識が隅々まで溢れる
無字庵庭園です。

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穴場中の穴場…とも言える無字庵。京都のタクシーの運転手さんに聞いても、無字庵のことは誰も知りませんでした。この庭を知ったのは去年、吉永小百合さんが出演している液晶テレビのCM。当時、メーカーの広報に聞いても教えてもらえず、京都で探してみてもどこだか分かりません。もしかすると京都以外の場所なのかもしれないと思っていたら、今年の初め、1枚の写真とともにある雑誌に紹介されていました!

京都に通って8年、全く知られていない場所を紹介できるチャンスは滅多にありません。撮影時、一部が改修中の上、山桜が散り間際・・・けっして最高の状況ではありませんでしたが、ご機嫌で撮影を終えました。これから苔の緑も色を濃くし見頃を迎えます。(※改修中ですが、見学には支障ありません。)


「Tenderly」
作曲者:John Barry
演奏者:Chet Baker